2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子鋳型一化学発光検出を利用する分子認識センサー素子の構築
Project/Area Number |
16550081
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 正昭 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10087322)
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Keywords | 化学発光 / 分子認識 / 分子鋳型 / センサー素子 / 内分泌撹乱物質 / 環境分析 / 有害化学物質 / 光学異性体 |
Research Abstract |
1.環境ホルモンのCL分子認識 (1)エストロゲンのCL計測 エストロゲン(エストラジオール、エストロン、エストリオール)の高感度定量のためにジエチルスチルペストロール(DES)検出の高感度化を図った。高感度化はDESを紫外線照射により蛍光体に変換し、ペルオキソモノ硫酸イオン/コバルトイオンCL反応系で生じるCLをフロー検出することで達成された。その結果、10^<-9>Mレベル(10倍の高感度化)のDESが迅速に検出することができた。エストラジオールとの競合実験では10^<-7>〜10^<-6>Mレベルの低濃度での認識が行えることが判明した。河川水中のエストロゲンの簡便、迅速な定量が期待できる (2)フタル酸エステルのCL計測 フタル酸エステルの加水分解により得られるフタル酸を測定することにより全フタル酸エステル量の測定を試みた。そこでフタル酸の測定に適した分子鋳型ポリマーを新たに作製し、10^<-8>Mレベルのフタル酸を感度良く測定できることがわかった。又、中性分子とは競合反応を示さないことが確認され、選択性が向上した。フタル酸エステルの加水分解・抽出法の最適な条件を検討し、得られるフタル酸の測定が可能であることを確認した。この測定系を用いて河川水中の10^<-7>Mレベルのフタル酸ジエチルの測定を行い、実試料への適用が可能であることがわかった。 2.アミノ酸光学異性体のCL分子認識 銅錯体溶液を調製する際に試薬の混合法を変えることでL-Trp濃度の高い錯体溶液を得ることができた。これにより3元錯体の収量増加を実現し、分子鋳型濃度の高いMIPの作製が可能となり、L-Trpを選択的に吸着させてCL定量を行うことができることを明らかにした。又、L-TrpとD-Trpの分子認識については機能性モノマーを4-ビニルピリジンから1-ビニルイミダゾールに変えることにより光学異性体の認識能を向上させることができた。
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Research Products
(2 results)