2005 Fiscal Year Annual Research Report
積層型微小立体化学システムを用いた環境微量分析法の研究
Project/Area Number |
16550083
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
内海 裕一 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (80326298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 工学研究科物質系工学専攻, 助教授 (40236443)
銘刈 春隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 先端製造プロセス部門, 主任研究員 (30321681)
根来 誠司 兵庫県立大学, 工学研究科物質系工学専攻, 教授 (90156159)
服部 正 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (70326297)
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Keywords | 環境分析 / チップ分析 / 生体分析 / マイクロメカトロニクス / バイオリアクター / 反応流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、積層型のバイオマイクロリアクターを新たに提案し、酵素免疫測定法を用いた多検体の環境微量分析に適用するためのプロトタイプを実現することにある。本年度は、昨年度に作製した単一の積層型マイクロバイオリアクタープロトタイプの流体挙動特性の評価を行うことを目的としている。本バイオマイクロリアクターは、微細貫通孔を集積した構造を有する流体フィルターを用いて、垂直方向への送液を制御するものである。今年度は、新たに設計を最適化したフィルターを、放射光による高アスペクト比X線リスグラフィーによって作製した。流体の送液は上槽・下槽内の空気を加圧して液体を押し出すことによって移送するが、その際の流速は加圧空気の圧力によって制御する。加圧力に対して送液流量は緩やかな勾配を描き、印加圧力にてサンプル流量を精密に制御可能であることが分かった。また、フィルター材質、微細貫通孔のサイズ、開口率等の構造パラメータを制御することによって、フィルター内部への液体蓄積が可能なこと、及び微細貫通孔のアスペクト比を数十以上に高くすることにより、一回の送液で顕著なミキシング効果のあることが見いだされた。また、本リアクター内での生化学反応速度を測定することにより、液体の混合効果の評価を行った。酵素(カテコール-2,3-ジオキシゲナーゼ)によりカテコールの開環反応を触媒し、2-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドを生成する。生成物は375nmに吸収を持つため、光ファイバー分光光度計により反応を検出した。測定サンプルとなるカテコール溶液、酵素(C230)溶液を順に各50μlずつ槽内に注入した。空気による加圧により上下送液及び検出層へと反応液を送液し、生成物の吸光度の時間依存性を測定した。この結果に、液体を流体フィルターに透過させることで反応の立ち上がりが向上し、反応時間の短縮及び反応初期段階での速度向上が見られることが確認できた。さらに、上下送液の回数は3〜5回の僅かな繰り返し回数で、反応速度の顕著な向上、即ち流体の混合効果が得られることが確認出来た。
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Research Products
(2 results)