2004 Fiscal Year Annual Research Report
無溶媒を指向するイオン性液体中での環境調和型有機電解合成
Project/Area Number |
16550090
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 稔樹 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50361770)
|
Keywords | イオン液体 / グリーンケミストリー / 電解フッ素化 / 溶媒効果 / 含フッ素カーボナート / 含フッ素エーテル / 電解反応 / フッ化糖 |
Research Abstract |
イオンのみから成り、難燃性かつ良好な導電性を有するイオン性液体を電解メディアに利用すれば有機溶媒を用いることなく有機電解反応が可能となる筈である。そこで、本研究ではイオン性液体を反応メディア兼支持塩とする有機溶媒を使用しない環境調和型の有機電解合成プロセスを確立することを主な目的として行った。まず、イオン性液体の電解反応用溶媒としての特性や溶媒効果を解明した。即ち、α位にフェニチオ基を有するフタリドをHF系イオン性液体中で電解酸化を行うと脱硫が起こり、α位が選択的にフッ素化されること見い出した。これにより電解発生カチオンラジカルがHF系イオン性液体中で不安定化されることが示唆され、HF系イオン性液体がカチオン種に対しジクロロメタンと類似した溶媒効果を示すことを初めて明らかにした。 HF系イオン性液体中での脱硫フッ素化を糖類に拡張し、フッ化糖の効率的電解合成にも成功した。さらに環状、非環状カーボナートのような難酸化性含酸素有機化合物の電解酸化的フッ素化がイオン性液体を用いることにより達成する事ができた。さらにエーテル類の電解フッ素化では電解終了後、イオン性体の電解液を常圧あるいは減圧下で蒸留するだけで対応するフッ素化生成物を単離できることを例示した。このように有機溶媒を用いない画期的な環境調和型電解フッ素化法を開発することができた。
|
Research Products
(5 results)