2005 Fiscal Year Annual Research Report
無溶媒系を指向するイオン性液体中での環境調和型有機電解合成
Project/Area Number |
16550090
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 稔樹 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50361770)
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Keywords | 有機電解合成 / イオン液体 / 電極触媒 / コバルト錯体 / メディエーター / 電解重合 / ニトロキシルラジカル / 脱ハロゲン化 |
Research Abstract |
イオン液体中での電解重合とメデイエーターを用いた間接電解還元反応について検討し、ほぼ所期の目的を達成することができた。 (1)イオン液体中での置換ピロール類の電解重合:3、4位に種々の置換基を有するピロールがイミダゾール系イオン性液体中で電位掃引法により速やかに酸化重合し、密着性の良い平滑な膜が生成することを見出した。現在、諸物性について測定中である。 (2)金属錯体をメデイエーターとするイオン液体中での電極触媒的還元反応:コバルトサーレン錯体を種々のイオン液体中でCV測定したところEMIMBF_4やBMIMPF_6中で可逆なレドックス波が観測されたが、EMIMTfOやBMIMPF_6中では可逆な波は観測されなかった。ついでコバルトサーレン錯体のvic-ジブロミドや活性ジブロミドに対する電極触媒効果を検討し、顕著な触媒電流がみられたことからコバルトサーレン錯体がこれらのジブロミドを触媒的に還元することが示唆された。実際にコバルト錯体をメデイエーターとしてジブロミドをマクロ電解したところ還元的脱ブロム化が効率良く進行することを明らかにした。本電解反応を通常の有機溶媒中で行うと目的生成物とコバルトサーレン錯体との分離がしにくいが、イオン液体を用いた場合には錯体がイオン液体中に留まり生成物のみを溶媒抽出できることから、生成物の単離操作が簡便になることも示すことができた。 (3)ニトロキシルラジカルをメデイエーターとするイオン液体中での電極触媒的酸化反応:TEMPOのようなニトロキシルラジカルをメデイエーターとして用い、アルコール類やチオール類のイオン液体中での電極触媒的酸化反応についてCV測定により検討し、マクロ電解によりこれらの酸化が可能であることを実証した。さらに、TEMPOをイオン液体化したものを用いることによりメデイエーターと酸化生成物の分離が容易になること、およびメデイエーターの再利用が可能となることを例示した。
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Research Products
(3 results)