2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550096
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生越 専介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30252589)
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Keywords | ニッケル / 酸化的環化 / カルボニル基 / アルケン / アルキン |
Research Abstract |
アルキル亜鉛や有機ホウ素化合物存在下、カルボニル化合物とジエン、アルキン、アレン類との多成分カップリング反応が、ニッケル触媒存在下効率よく進行することが報告されている。これらの触媒反応においては、いずれもニッケル上でのカルボニル基と炭素-炭素不飽和結合の酸化的環化が重要な鍵過程として提案されている。しかしながら、実際にニッケル錯体を単離して検討されたことはなかった。そこで、原子半径が小さく還元力の高いニッケル上にアルデヒド、アルケンを同時に配位させた錯体からの酸化的環化反応を検討した。 5-エナールをNi(cod)_2,PR_3と反応させたところ定量的にη^2:η^2-5-エナールニッケル錯体が生成した。この錯体は熱的に酸化的環化を起こし環状ニッケル錯体を与えた。これは、酸化的環化反応の前後を錯体として確認した初めての例である。この際に酸素原子が二つのニッケルに架橋するために二量体錯体が生成する。o-アリルベンズアルデヒドとPCy_3との組み合わせで生じる混合物のうちアンチ体については、X線結晶構造解析を行って構造を決定することができた。これらの混合物を一酸化炭素と反応させると、カルボニル化が進行し一種類のラクトンのみを与えた。また、同時にアルケン部位とホルミル部位がニッケルに配位できないように、二等量のPPh_3を配位させた錯体からは酸化的環化反応が進行しなかった。これは、酸化的環化する基質がすべてニッケル上に配位してから反応が進行することを示唆している。
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Research Products
(2 results)