2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素の特性を活かした選択的オレフィン合成反応の開発と応用
Project/Area Number |
16550098
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小島 聡志 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70215242)
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Keywords | Peterson反応 / Horner-Wadsworth-Emmons反応 / Z-選択性 / Weinrebアミド / α,β-不飽和シアニド / α,β-不飽和ケトン / 有機セリウム / α,β-不飽和アミド |
Research Abstract |
1)位置選択的にカルボニルをオレフィンに変換できるPeterson反応では,通常Z-オレフィンを得るのが困難であるが,(t-BuO)Ph_2SiCH_2CNを用いることによってアルデヒドとの反応において,脂肪族アルデヒドのみならず芳香族アルデヒドでも高いZ-撰択性(92:8->99:1)でα,β-不飽和シアニドを得ることができた。 2)電子求引基を有するPeterson試薬が関与するオレフィン化反応は多段階反応であるが,電子求引基としてエステル基を有する試剤の反応のはじめの付加中間体および電子求引基としてシアノ基を有する試剤の反応のオレフィンを直接与える中間体のモデル化合物をそれぞれ検討することによって,Peterson反応が類似反応であるHorner-Wadsworth-Emmons (HWE)反応とは異なる反応機構を通ることを間接的に証明できた。 3)(CF_3CH_2O)_2P(O)CH_2CON(OMe)Meおよび(o-tolylO)_2P(O)CH_2CON(OMe)Meを用いてHWE反応を検討したところ,前者は芳香族アルデヒド,後者は脂肪族アルデヒドとの反応で,高いZ-選択性でα,β-不飽和Weinrebアミドを生成することを見いだした。さらに,これらの共役オレフィンと有機セリウム化合物との反応では,1,2-付加のみが起こり,オレフィンの幾何がほぼ保持できることがわかった。それにより,2段階反応として効率よくZ-α,β-不飽和ケトンを得る方法を確立できた。
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Research Products
(7 results)