2004 Fiscal Year Annual Research Report
アザチタナサイクルの生成を基盤とするα-分岐アミン類の立体選択的合成
Project/Area Number |
16550102
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡本 専太郎 神奈川大学, 工学部, 助教授 (00201989)
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Keywords | 2価チタン / イミン / アザチタナシクロプロパン / アザチタナシクロペンタン / 還元カップリング / 3-ピロリン / ピロリヂン / 光学活性 |
Research Abstract |
α-分岐アミノ構造は,多くの天然物や医薬品などの生理活性化合物の構成部分であり,またその多くは光学活性体である。従って,これらの立体選択的な合成手法の開発は有意義である。イミンなどのC=N結合化合物への求核付加反応は,α-分岐アミノ構造を構築する有効な合成法の一つであり,特にその不斉反応が近年盛んに研究されている。この場合,イミノ化合物は親電子剤である。一方,筆者らは2価チタンと等価に働く反応剤Ti(O-i-Pr)_4/2i-PrMgXとイミンとの反応でアザチタナシクロプロパンが生成することを見いだしている。このアザチタナシクロプロパンを基盤とするアミン類の選択的合成について検討した。(1)アザチタナシクロプロパンとアルキンやプロパルギル化合物とを反応させると,アリルアミンおよびアレニルアミンがそれぞれ生成することを見いだし,さらに後者は,触媒量のCu(OTf)_2と反応させると効率良く3-ピロリンに変換されることを見いだした。(2)分子内にイミンとアルケンを有する基質と2価チタン反応剤との反応を検討したところ,環化が進行し,対応するアザチタナシクロペンタンが発生すること,さらに,これにホルムアルデヒドを反応させると縮環ピロリヂンがエンーイミンよりone-potで合成できることを見いだした。(3)あるイミンより生成したアザチタナシクロプロパンに対し,異なるイミンを反応させて還元的イミン交差カップリングを検討した。特に,最初から2つのイミンの混合物に2価チタンを反応させた場合,統計的な数値を越えて交差カップリング体が優先して得られる系を見いだした。
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Research Products
(1 results)