2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトン環、ラクタム環を有する生物活性関連化合物の触媒的不斉合成
Project/Area Number |
16550103
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡田 芳治 近畿大学, 工学部, 助教授 (30253553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 正人 近畿大学, 工学部, 教授 (60140315)
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Keywords | アントラセン / 光学活性ホスフィンカルボン酸 / パラジウム錯体触媒 / ホスホノ酢酸トリエチル / イソシアナート / 不斉アリル位アルキル化反応 / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本研究では、新たに高活性な光学活性ホスフィンカルボン酸配位子を開発するとともにラクトン環、ラクタム環を有する生物活性関連化合物の触媒的不斉合成を目的としている。 2-アンスリールジフェニルホスフィンオキシド1に四塩化チタン存在下、アクリル酸メチルを反応させ、対応する付加物を可能な4つの位置異性体2a-dの混合物として収率90%で得た。この混合物を酢酸エチル-ヘキサンから再結晶して、第一結晶として2-ジフェニルホスフィニル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-12(アンチ)-カルボン酸メチル2bを単離した。再結晶後のろ液を濃縮し、ベンゼンから再結晶して、2-ジフェニルホスフィニル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-11(アンチ)-カルボン酸メチル2dを単離した。さらに再結晶後のろ液をリサイクル分取液体クロマトグラフィー(溶媒:CHCl_3)で分離して、2-ジフェニルホスフィニル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-12(シン)-カルボン酸メチル2aを単離した。次に2a,bをトリクロロシランを用いてホスフィンへ還元後、エステル加水分解して対応するホスフィンカルボン酸3a,bをラセミ体として得た。(±)-3bを光学活性(-)-α-メチルベンジルアミンを用いて光学分割し、光学活性ホスフィンカルボン酸(-)-3bを得た。酢酸パラジウムと(-)-3bより系中でパラジウム錯体触媒(1.0〜1.5mol%;P/Pd=2/1)を調製し、酢酸2-シクロヘキセニル(4)や3-アセトキシ-1,3-ジフェニル-1-プロペン(5)とホスホノ酢酸トリエチルの不斉アリル位アルキル化反応を行ない、対応するアルキル化生成物6および7を得た。4を用いた反応では6が収率96%、不斉収率53%eeで得られ、5を用いた反応では7が収率62%、不斉収率50%eeで得られた。
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