2005 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンモデルペプチド単結晶の高分解能解析に基く奥山モデルの検証
Project/Area Number |
16550107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 健二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30038020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵一 東京農工大学, 機器分析センター, 講師 (00251588)
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Keywords | コラーゲン / 三重らせん / モデルペプチド / 単結晶 / ホスト・ゲストペプチド |
Research Abstract |
本研究では、天然コラーゲンのアミノ酸配列中に頻繁に出現するtripletをゲスト部に導入し、らせんの形成を促進する(Pro-Pro-Gly)nや(Pro-Hyp-Gly)nをホストとするホスト・ゲストペプチド単結晶の高分解能解析から、ゲストtripletのとるらせん構造を調べることで奥山モデルの検証を行うことを目的としている。以下に本年度の実績を報告する。 1.PPG4-POG-PPG4,PPG4-PaOG-PPG4,PPG4-OOG-PPG4の構造解析を修了し、構造データをPDBに登録した。PDBコードは順番に、2D3F,1X1K,2D3Hである。PPG4-PaOG-PPG4については2報の論文にまとめ、PPG4-OOG-PPG4の構造については論文執筆中である。いずれも奥山モデルに極めて近い構造であった。 2.PPG4-PAG-PPG4,PPG4-AAG-PPG4,PPG4-OPG-PPG4,PPG4-OTG-PPG4,PPG4-ODG-PPG4,POG4-LOG-POG4,POG3-LOG2-POG4,POG3-PAG-POG4,POG3-PRG-POG4についてもほぼ構造は得られており、論文執筆中のものもある。 3.本研究で得たtriple-helix構造と、これまでに報告された全てのtriple-helix構造について、菅田と宮沢の式を使って各残基のhelical twistを計算し、その分布を調べた。その結果、調べた2,163個のtripletsは剛直なProやHypを多く含んでいるにもかかわらず、helical twistは30〜75度の間に幅広く分布しており、その分布の中心は52.4度である事が分かった。この値は我々がコラーゲンの分子構造として提案している7/2-helixのhelical twistである51.4度に極めて近く、RichとCrickが提案している10/3-helixのhelical twistである30度付近の値をとる例は極めて少ない事が明らかになった。RichとCrickのモデルはGly-Pro-Hyp配列に基づいて作られ精密化されたモデルである事を考えるならば、イミノさんの多く含まれるペプチド構造に基づくhelical twistの分布に10/3-helixの片鱗すら現れないと言うことは、彼らのモデルが完全に間違っていると言わざるを得ない。この成果は現在Biopolymersに投稿中である。
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Research Products
(4 results)