2006 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンモデルペプチド単結晶の高分解能解析に基く奥山モデルの検証
Project/Area Number |
16550107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 健二 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30038020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵一 東京農工大学, 機器分析センター, 講師 (00251588)
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Keywords | コラーゲン / 三重らせん / モデルペプチド / 単結晶 / 結晶解析 / ホスト・ゲストペプチド |
Research Abstract |
本研究では、天然コラーゲンのアミノ酸配列中に頻繁に出現するtripletをゲスト部に導入し、らせんの形成を促進する(Pro-Pro-Gly)nや(Pro-Hyp-Gly)nをホストとするホスト・ゲストペプチド単結晶の高分解能解析からゲストtripletのとるらせん構造を詳細に調べることで、コラーゲンの構造に対する奥山モデルの検証を目的としている。以下に本年度の実績を報告する。 (1)POG4-LOG-POG4,POG3-LOG2-POG4の構造解析を修了し、前者は1.6Å、後者は1.4Å分解能の構造を得た。その結果、コラーゲン中ではロイシン側鎖が、三重らせんからラジアル方向に突き出た(+)gaush-trans構造をとっていることがわかった。このことは、コラーゲン分子が会合して繊維を形成する際、ロイシン側鎖同士の疎水相互作用の可能性を示唆した。論文は投稿中。 (2)PPG4-PAG-PPG4,PPG4-AAG-PPG4,PPG4-ODG-PPG4は、構造解析を修了した。 (3)本研究で我々がこれまでに解析したものを加えると、この十年間で世界中の研究室から20以上のコラーゲンモデルペプチド単結晶の高分解能構造が発表された。これらペプチド分子が、結晶中でとる三重らせん構造は全て我々の提案している7/2-helix構造であり、これまで半世紀の長きにわたり教科書に掲載されてきたRich & Crickの10/3-helix構造をとる例は1つもない。この結果は明瞭に奥山モデルこそが天然コラーゲンの平均構造に一番近い構造であり、Rich & Crickモデルは間違ったものであることを示している。
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Research Products
(6 results)