2005 Fiscal Year Annual Research Report
錯イオンの配向制御による極性体の開発とその非線形電気光学効果に関する研究
Project/Area Number |
16550116
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
崎山 博史 山形大学, 理学部, 助教授 (20253396)
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Keywords | 電気光学効果 / 極性体 / 光学活性 / 遷移金属錯体 |
Research Abstract |
電気光学効果とは,物質の屈折率が外部電場に応じて変化する効果であり,屈折率の変化にともなって透過率,反射率,旋光度などの光学的性質も変化する。屈折率の変化が外部電場に比例するとき一次または線形の電気光学効果と呼ばれ,外部電場の二乗,三乗…に比例するとき二次,三次…の非線形電気光学効果と呼ばれる。一次の電気光学効果を示す物質は多数あり,よく研究されている。また二次の電気光学効果を示す物質も知られている。 平成17年度の成果は次のとおりである。 (1)当研究室でした開発した極性体(空間群C2)となるキラルなニッケル(II)錯体が無極性結晶(空間群P2_12_12_1)にもなることを明らかにした。 (2)前年度作成した直流電場を印加しながら単結晶表面の反射スペクトルを測る装置を用いて,前述の無極性結晶(単結晶)について厳密に電気光学効果を観測することに成功した。結晶面の帰属をおこない電場と光の方向を変化させて測定したところが以前よりも進歩した。 (3)精密な電気光学効果の測定によって電場の四乗に比例して屈折率変化が起こる四次の電気光学効果であることを見いだした。機構は不明であるが,現象論的に四次の電気光学効果を観測した初めての例である。 (4)極性結晶(粉末試料)の電気光学効果の測定データを解析し,二次の電気光学効果であることを確認した。 (5)単結晶の作成には至らなかったが,無色の光学活性な亜鉛(II)錯体を新たに二種類合成した。広い波長範囲で電気光学効果が観測されると期待できる化合物である。
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Research Products
(5 results)