2004 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンを組み込んだカテナン、ロタキサンの合成・機能と分子マシーンへの応用
Project/Area Number |
16550118
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 洋介 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60261864)
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Keywords | フラーレン / カテナン / ロタキサン / 超分子 / 分子マシーン / 分子スイッチ / Bingel反応 |
Research Abstract |
フラーレンを構成要素とする超分子の構築は、フラーレンの機能物質への応用の観点から興味深いが、これまでに、インターロック化合物、特にカテナンにフラーレンを組み込んだ例はほとんどない。本研究においては、アクセプター性のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド部位を有し、種々の架橋鎖長を有するフラーレン付加体1a-cを用い、1、ドナー性のジナフトクラウンエーテル2、及びもう1分子のC_<60>らなるロタキサン3や、1に2を組み込んだカテナン4の合成に成功した。 1a-cとC_<60>との分子間Bingel反応を5の存在下、室温で行ったところ、2を含まないダンベル型二量体6が得られたが、ロタキサン3の生成には至らなかった。しかし、同様の反応を低温で行うと、ロタキサン3a-cが生成し、その単離にも成功した。その構造は、MALDI-TOF MS及び^1H NMRにより決定した。^1H NMRスペクトルの芳香族領域においては、ジナフトクラウンエーテル2やダンベル型二量体に比べて高磁場シフトしたピークのみが観測されており、ロタキサン3の生成が明確に示された。 また、1a-cの分子内Bingel反応を2の存在下、室温で行い、1a-cを二付加体とすることにより、カテナン4の合成を試みたが、その生成は確認されなかった。一方、ロタキサンの場合と同様、反応を低温で行ったところ、架橋鎖長の最も短い1aの場合カテナン4aは生成しなかったが、架橋鎖長のより長い1b,cの場合はカテナン4b,cの生成が確認された。反応混合物をGPCにより分離すると、カテナン4b,cの位置異性体混合物が得られ、4bの場合、さらにHPLCにより3種類の位置異性体が単離された。これらは、MALDI-ToF MS、^1H NMR、UV-Visスペクトルにより同定され、それぞれ、trans-2,trans-3,e体であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)