2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジペプチドミミックで設計された新規2回らせんポリペプチドの構築と機能化への応用
Project/Area Number |
16550120
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤染 元浩 千葉大学, 工学部, 助教授 (10261934)
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Keywords | ペプチド化学 / 超分子化学 / ジペプチドミミック / ホルダマー / 2回らせん構造 / 水素結合 / 2-アミノフェノキシ酢酸 |
Research Abstract |
弱い相互作用で高次構造を形成する機能性分子はホルダマーと呼ばれ、ポリペプチドは水素結合によりα-ヘリックスなどの3回軸以上のらせん構造(高次構造)を形成するホルダマーである。本研究では、2-アミノフェノキシ酢酸類をジペプチドミメティックな分子として利用し、天然ない新たな水素結合による2回らせんオリゴペプチドを構築し、生化学やペプチド化学へ供することである。本年度の研究実績を以下にあげる。 1.ヘリックスの特性と溶媒効果(日本化学会第86春季年会口頭発表):不斉炭素がないと、らせん構造は誘起されないが、α-位に不斉炭素を導入するとヘリックス構造が形成された。 (1)すべてのα-炭素に不斉炭素を導入したオリゴマーのらせん構造は溶媒に依存しない。 (2)水素結合を弱める極性溶媒中ではヘリックスの誘起CDは弱いが、シクロヘキサン中では、末端のα-炭素1つに不斉炭素を導入すると、ヘリックス誘起による強いコットン効果を観測し、ペプチド鎖の伸長とともにらせん構造が誘起された。 2.官能基導入によるヘリックス構造の機能化と構造制御(日本化学会第86春季年会口頭発表):ホルダマーの2つのベンゼン環上にカルボキシル基を導入した。ジアミンと錯形成を検討し、R体のホルダマーに対して立体の異なるシクロヘキサンジアミンを加えるとCD及びNMRスペクトルで異なる挙動を示した。特に(S、S)-体と円形成では、ヘリックスの安定化が確認された。分子間相互作用を利用したヘリックス構造の制御ができ、さらに立体選択的な分子認識機能への展開が期待できる。 3.本研究に関連してγ-ヒドロキシ-α-フルオロ-α-トリフルオロメチルカルボキシアミドからのα-トリフルオロメチル-α-アミノ酸誘導体の合成法を学術論文に発表した。
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Research Products
(1 results)