2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法を用いる新しい単一分子電線構築法の開発
Project/Area Number |
16550123
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Research Institution | RESEARCH INSTITUTE OF ELECTRONICS SHIZUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂口 浩司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (30211931)
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Keywords | 電気化学 / 表面化学 / 分子ワイヤ |
Research Abstract |
電気化学を用い液相中で1本の導電性高分子を長さ・密度・方向・形を電気パルス印加により制御しながら大面積に形成させる新しい技術"電気化学エピタキシャル重合"を開発した.この技術はモノマー(分子細線原料)を含んだ電解質溶液中において、ヨウ素原子で表面修飾した原子平坦金属電極にパルス電圧を印加することにより、基板の表面原子配列に沿ってモノマーの逐次的な電解重合を起こさせ単一分子細線を形成させる原理に基づいている.人為的に核を表面上に埋め込み、1分子ワイヤ成長の制御に成功した.チオフェン3量体であるターチオフェン分子(3T)を含む電解質溶液にヨウ素で表面修飾した金(111)基板を浸し電圧パルスを印加し表面核を埋め込む.次にモノマーのみを含む電解質溶液中に核埋込基板を浸し電圧パルスを印加した.驚くべきことに1軸方向に伸びた長いワイヤが生成することが分かった.ほとんどの分子が1軸方向に成長するため成長ワイヤ間での衝突が少ない.このため長いワイヤ成長が可能になったものと考えられる.最長で200nmの長さを持つ分子細線の作成に成功した.この基板の結晶構造は、金(111)に結合したヨウ素原子配列が圧縮六方晶(1軸対称)構造を取っていることが分かった.分子ワイヤがヨウ素原子配列に沿って1軸成長したものと考えられる.この結果は、表面に結合したヨウ素の原子の配列変化により分子細線の配向が制御可能であることを示している.
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Research Products
(4 results)