2004 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡条件下を活用した膜・界面における時空間モードスイッチングの制御
Project/Area Number |
16550124
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
中田 聡 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50217741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 豊樹 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70202330)
長山 雅晴 金沢大学, 理学部, 助教授 (20314289)
モハメド ラフィック、イスラム ユーテック, 主任研究員
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Keywords | 非線形 / 自律系 / 非平衡 / 界面 |
Research Abstract |
生命体は、エネルギーの流入と散逸を伴いながら生命活動を維持していることから、非平衡開放系といえる。その中で膜・界面は、開放系の中で系内外を区別する境界として重要な役割を担っている。例えば感覚においては、外界からの刺激は神経細胞の電気インパルスに変換され、中枢系に伝播されることで感じることができる。そして、この神経細胞の興奮は、膜・界面の非平衡下で生じる時間発展現象とみなすことができる。申請者らはこれまで、秩序形成(リズムやパターン形成)など生命体で見られる特徴的な時空間発展現象を、縮約した実験系を用いて人工的に再現することにより、これらの現象のメカニズムの解明と現象の普遍的なモデル化を行ってきた。本研究では、膜・界面における異方的な反応条件(濃度勾配、温度勾配、反応層や境界の形状など)の導入により、時空間発展現象を制御するとともに、系の機能を増幅することを目的とした。 本研究期間においては、分子レベルから巨視的レベルまで発展する膜・界面上における協同現象(同調現象など)を題材として、化学反応場に非平衡条件と異方性を導入することにより時空間発展現象のモードスイッチング(分岐現象や履歴現象など)やベクトルプロセス(空間発展の指向性)のメカニズムを解明するとともに制御を行いたい。そして、これらの実験系を発展すると共に普遍的な物理化学的パラメータを含む理論的モデル化を確立する。
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Research Products
(6 results)