2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロギャップ電極を有するマイクロガスセンサの作成と極低濃度ガス検知特性
Project/Area Number |
16550130
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
玉置 純 立命館大学, 理工学部, 教授 (10207227)
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Keywords | 半導体ガスセンサ / マイクロギャップ電極 / 酸化タングステン / 二酸化窒素 / 酸化インジウム / 塩素ガス |
Research Abstract |
0.1? 1.5μmのギャップを有するマイクロギャップ電極をMEMS技術(フォトリソグラフィー、FIB)により作成し、購入したマイクロインジェクションセットを用いてマイクロ電極上に直径100μm程度の微小な円形状WO_3膜を取り付け、マイクロNO_2センサとした。極低濃度NO_2(0.05? 0.5ppm)に対する感度は、ギャップサイズに大きく依存し、ギャップサイズが0.8μm以下になると、ギャップサイズの減少とともに感度は増大した。0.1μmギャップのセンサにおいて最高感度が得られ、0.5ppm NO_2に対して感度57(S=Rg/Ra)を示した。また、簡単なモデルを提案してマイクロギャップ効果を説明し、1)0.1μm以下のギャップを作成できれば、感度はますます向上すること、2)ギャップが小さくなると金電極とWO_3粒子間の界面抵抗の寄与が大きくなること、3)界面の抵抗変化は粒界抵抗の変化より著しく大きいこと、4)電極? 酸化物粒子界面が半導体ガスセンサでは重要であること、が明らかとなった。さらに、In_2O_3を用いたCl_2ガス検知(0.05? 3ppm)にもマイクロギャップ電極を適用した。Cl_2ガス検知はNO_2検知より複雑で、Cl_2ガス濃度が高い場合は抵抗増加、低い場合は抵抗減少の応答を示した。興味深いことにいずれの抵抗変化に対しても同様のギャップサイズ効果が認められ、ギャップサイズが減少するとともに感度が増大した。Cl_2ガス検知においてもモデルによる考察を行ったところ、NO_2の場合と同様に電極? 酸化物粒子界面の抵抗変化が大きいことからギャップサイズ効果が現れることが明らかとなり、界面の重要性が示唆された。このように今年度はNO_2、Cl_2ガス検知におけるギャップサイズ効果を明らかとし、高感度ガスセンサの設計には電極構造のマイクロレベルでのデザインも重要であることを提案した。
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Research Products
(3 results)