2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550131
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山口 仁宏 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30200637)
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Keywords | ベンゾフラン / 有機発光体 / 有機EL材料 / 分子機能 / 合成 / 発光特性 |
Research Abstract |
当研究室では、ベンゾフラン環の新しい合成法およびベンゾフラン環を含む有機π電子系化合物が強発光体創製に非常に有用であることを見出した。本研究課題は、開発した方法を用いて、2種類のタイプ(Type1:電子吸引性部分を有する化合物類(1(4-シアノフェニル基),2(ピリジル基),3(3-トリフルオロピリジル基))、Type2:ベンゼン環を中心に2方向にベンゾフラン鎖の伸長した化合物類(4(o-),5(m-),6(p-))の合計6種類の新規含ベンゾフラン化合物を合成し、その発光特性を調べた。 合成は、次に述べる方法で行った。すなわち、o-ヨードフェノールを出発原料として、まず末端アセチレン基をもつ化合物を調製し、それぞれに必要なハロゲン化ベンゼン誘導体を縮合した。次にテトラヒドロピラニル(THP)基を酸加水分解したのち、水酸化ナトリウムと反応させベンゾフラン環を形成した。合成した6種類の新規含ベンゾフラン化合物の紫外-可視吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定した。その結果、最大吸収波長(λ_<abs>)、モル吸光係数(log ε)、発光極大波長(λ_<em>)、および量子収率(Φ_f)は各々次のようになった;1:λ_<abs>=382nm, log ε=4.98, λ_<em>=458nm, Φ_f=0.83;2:λ_<abs>=366nm, log ε=4.72, λ_<em>=427nm, Φ_f=0.77;3:λ_<abs>=421nm, log ε=5.01, λ_<em>=426, 455nm, Φ_f=0.89;4:λ_<abs>=350nm, log ε=4.68, λ_<em>=470nm, Φ_f=0.95;5:λ_<abs>=369nm, log ε=4.85, λ_<em>=399, 423nm, Φ_f=0.85;6:λ_<abs>=410nm, log ε=4.66, λ_<em>=446,478nm, Φ_f=0.98。強い電子吸引性を示す4-シアノフェニル基と3-トリフルオロメチルピリジル基をもつ1と3、そしてπ共役系の拡がりの大きな4と6は、発光極大波長が450nmより長波長側にあり、量子収率も0.8より大きな値をもち、強い青色発光性を示すことがわかった。
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