2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド修飾デンドリマーを用いた変異p53タンパク質抗体作製法の開発
Project/Area Number |
16550140
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺境 光俊 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (70251618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
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Keywords | デンドリマー / ペプチド抗体 / 変異p53タンパク質 / 抗原抗体反応 / 芳香族ポリアミド / ペプチド鎖 |
Research Abstract |
末端に多数のペプチド鎖をもつ芳香族ポリアミドデンドリマーを合成した。末端に8個カルボキシル基をもつ芳香族ポリアミドデンドリマーと、メチオニンまたはペプチド鎖を縮合剤(DBOP)を用いて結合させた。生成分子の構造は^1H,^<13>C NMR、MALDI-TOFマススペクトルにより確認した。メチオニンの場合、デンドリマー1分子あたり平均約8分子のメチオニンを結合させることができた。分子シャペロンの一種である熱ショックタンパク質(HSP10)を結合させた場合、1置換体が主成分で4置換体まで検出できた。HSP10修飾デンドリマーを用いて抗HSP10抗体を用いた抗原抗体反応を行ったところ、未修飾のHSP10と同様にはっきりと活性を示した。芳香族ポリアミドデンドリマーに結合させたHSP10が分子の外側に提示されており、このデンドリマーがペプチド担体として有効に機能することが確認できた。 変異p53タンパク質のホットスポット(R248Q)を含むペプチド鎖を末端カルボキシル基デンドリマーと結合を試みた。MALDI-TOFマススペクトルから3置換体まで検出できたものの、平均置換度が低く、収量も少なかったため、抗原抗体反応は行わず、合成法を再検討した。 置換度向上を目的として末端アミノ基をもつ芳香族ポリアミドデンドリマーを合成し、アミノ酸との選択的縮合を試みた。アミノ基4個もつデンドリマーと保護基をもつグリシンを縮合剤(DBOP)を用いて結合させると4個すべてが置換された分子が合成できた。再結晶後の生成物では^1HNMR、MALDI-TOFマススペクトルで置換不十分な成分は認められない。グリシンの保護基を除去し、変異p53タンパク質の変異部分を含むセグメントを結合させれば、置換度の高いペプチド修飾デンドリマーの合成が可能である。
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