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2004 Fiscal Year Annual Research Report

ペプチドらせん骨格における不斉情報の伝達と増幅機構の解明

Research Project

Project/Area Number 16550142
Research InstitutionNagoya Institute of Technology

Principal Investigator

稲井 嘉人  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60223210)

Keywordsキラリティ / ペプチド / らせん構造 / 円二色性 / デヒドロアミノ酸 / 不斉誘導 / らせんの巻き方向 / 計算機化学
Research Abstract

本研究の目的は、らせん構造を中心とする蛋白質(ペプチド)骨格に内在する不斉情報の伝達(伝播)経路や増幅過程を包括的ならびに系統的に解明することにある。本年度は以下の研究業績を得ている。
(A)小分子かららせん鎖への不斉情報の伝達(伝播)に関して
(1)光学不活性なペプチドらせんに幾つかのキラル化合物を混合して、円二色性スペクトルを測定した。その結果、添加されたキラリティの化学構造とペプチドへの不斉伝達の関係についての知見を得た。
(2)従来、不斉伝達のためのらせん骨格としてデヒドロフェニルアラニン残基を含むペプチドを用いてきた。他の系における不斉伝達を調べるために、フェニル基よりかさ高い発色基を持つデヒドロアミノ酸含有ペプチドを合成した。このN末端フリーペプチドはキラル添加剤による不斉伝達を示した。
(3)溶媒やキラリティー温度によるペプチドキラリティへの影響を調べ、ペプチドらせんの巻き方向に及ぼすこれらの外部刺激の重要性を示した。
(4)ペプチドらせん末端と様々なキラル分子との錯体構造をエネルギー計算により推定した.また、巻き方向の決定に重要となるデヒドロアミノ酸含有ペプチドの励起状態の性質を分子軌道計算によって予測した。
(B)らせん鎖かららせん鎖への不斉情報の伝達(伝播)に関して
(1)短鎖ペプチドの会合に基づく不斉伝達が示唆された(会合の形態は不明)。
(2)2本のペプチド鎖を結合させた分子の合成ならびにキラル添加剤としてのらせん系ペプチドの合成を試みた。
(C)らせん集合体における不斉情報の伝達(伝播)・増幅に関して
(1)ペプチドの水溶液に、幾つかのキラル化合物を混合することにより不斉誘導を確認した。
(2)ペプチドのキャスト物においても不斉誘導が起こることが分かった。
なお、これらの研究業績の一部は来年度の学会に発表する予定である。また、一部の結果は論文発表準備(投稿)中である。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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