2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャンネルオリゴマーの機能構造の解析と調節ペプチドの創生
Project/Area Number |
16550144
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
兒玉 浩明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 聰史 佐賀大学, 理工学部, 助手 (50284609)
小野 慎 富山大学, 工学部, 助教授 (10214181)
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (40352124)
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Keywords | イオンチャンネル / ペプチド合成 / Aib / 分子架橋 / 二量体ペプチド |
Research Abstract |
ヘリックス性イオンチャンネルペプチドを共有結合的に架橋し、イオンチャンネルの機能に及ぼす影響を検討した。今回、平行型モデルペプチドとしてN末端をシステイン残基のジスルフィド結合で架橋した(Ac-Cys-Gly-Gly-(Aib-Lys-Aib-Ala)_5-NH_2)_2と、逆平行に架橋したペプチドとしてAc-(Aib-Lys-Aib-Ala)5-Pro-Arg-Arg-(Aib-Lys-Aib-Ala)_2-NH_2を合成した。 モデルペプチドの合成は固相合成法を用いて行った。平行型モデルペプチドの合成は、まずAc-Cys-Gly-Gly-(Aib-Lys-Aib-Ala)_2-NH_2を合成し、その後、空気酸化によりシステイン残基側鎖同士を架橋した。目的物の構造と純度は逆相クロマトグラフィとMALDI-TOF MSにより評価した。 合成した二量体モデルペプチドの二次構造はヘリックス性のものであると考えられた。イオンチャンネル活性測定の結果、平行型モデルペプチドは700pSのコンダクタンス値を示し、6本のヘリックスがポア形成していると考えられた。一方で逆平行二量体ペプチドは開時間の長い、非常に安定なチャンネルを形成し、120pSと228pSの2つのレベルのコンダクタンスパターンを与えた。大きいコンダクタンス値は、単量体BKBA-20のコンダクタンス値(227 Ps)とほぼ一致し、4本のヘリックスによるチャンネル形成が示唆された。小さいコンダクタンス値は、3本のヘリックスペプチドがチャンネルを形成していると考えられた。また、観測された長い開時間は逆平行架橋がこのペプチドのポア形成時に安定性を与えていることを示唆するものと考えられた。 逆平行架橋ペプチドの濃度依存性を調べたところ、非架橋のものは濃度の減少とともにチャンネルの開確率が低下したが、逆平行架橋ペプチドは濃度を下げても開確率にほとんど影響を生じなかった上、チャンネルの開時間も非架橋のものより長かった。以上よりBKBA-20は逆平行型の配向により安定に会合し、ポアを形成することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)