2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖タンパク質の精密化学合成を基盤とする糖鎖の機能解明の研究
Project/Area Number |
16550146
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (50275020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (50339131)
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Keywords | 糖鎖 / 糖鎖ペプチド / CTLA4 / 糖タンパク |
Research Abstract |
糖タンパク質Cytotoxic T Lymphocyte-Associated Protein-4(CTLA4)は、炎症時に活性化されているT細胞を抑制する活性を有する。この糖タンパク質の重要フラグメントは、MYPPPYという特異なアミノ酸配列を有し、そしてそのN末端側、C末端側には、糖鎖が結合している。この糖鎖の機能解明を目的に合成をおこなった。合成するアミノ酸配列はMLTIQGLRAMDTGLYACKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYで糖鎖はC末端から6残基目とN末端のアスパラギン(N)に結合している。この糖鎖ペプチドを二つに分け、チオエステルを有するフラグメント糖鎖ペプチド配列はNLTIQGLRAMDTGLYA-thioesterにした。そしてN-末端にシステイン(Cys)を有するフラグメントは糖鎖ペプチドCKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYとした。そしてこれら2つのフラグメントをNative Chemical Ligation法(NCL反応)により縮合し目的とする糖鎖ペプチドフラグメントを合成することに成功した。このような大型の糖鎖を有する糖鎖ペプチドの合成はいままで困難とされていたが、今回、世界ではじめて成功した。共刺激分子CTLA4の活性を解析する可溶性CTLA4(CD80/86に結合)の調製を終了した。また相互作用を解析する生物系のツールとしてこれら分子を安定的に高発現する細胞株を取得した。また、CTLA4の糖鎖を酵素で除去しその活性がどの程度変化するかを調べた。その結果、8割程度のCTLA4活性の消失が観測され、糖鎖が必要であることを見出した。そして、これら糖ペプチドフラグメントを用いたT細胞抑制化を評価するためのアッセイ法の確立を検討した。重要フラグメントMYPPPYを含むCKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYは、糖鎖が1本結合することで、ペプチドだけのものに比べ劇的に水への溶解性が向上した。そのため、糖ペプチドを高濃度にすることも可能であったが、0.1M程度の濃度では、CTLA4そのものの活性に比べると活性が低いことが判明した。現在、大型のCTLA4の糖鎖ペプチド合成し、どの位置に結合した糖鎖が活性発現に重要か調べている。
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Research Products
(2 results)