2005 Fiscal Year Annual Research Report
非シクロオキシゲナーゼ経路と考えられる海産プロスタノイドの生合成経路の解明
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16550147
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 謹三 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10167116)
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Keywords | 生合成経路 / プロスタグランジン / アラキドン酸カスケード / リポキシゲナーゼ / Clavularia virides / 軟体サンゴ / PCR / DNA塩基配列解析 |
Research Abstract |
軟体サンゴClavularia viridisは特異な構造のプロスタノイドを産生し、これらは哺乳類のプロスタグランジン類とは異なってリポキシゲナーゼ(LOX)が関与した生合成経路で生合成されると考えられている。平成16年度は、この軟体サンゴからこれに関与すると考えられるLOXおよびアレンオキシド合成酵素(AOS)をコードする遺伝子を単離し1066残基のアミノ酸をコードする全塩基配列[AOS-8R-LOX(123 kDa)、3585塩基対、Gene Bank, Accession No. : AB188528,Protein ID : BAD89999]を決定した。 平成17年度は、このAOS-8R-LOX(123 kDa)をHis_6 Tag、GST Tag、およびChitin-bound Intein Tagで標識し、昆虫細胞(Sf9)で発現させた。His_6 TagおよびGST Tagを用いた細胞で少量の発現が見られたが、いずれも酵素活性を示さなかった。そこで、AOSドメインとLOXドメインに分断し、pET24a、pET15bを用いて別々に大腸菌(DH5a株、BL21、XJa,DE3株)で発現させた。AOS、8R-LOXともに発現は見られたが酵素活性は示さなかった。現在、機能解析の条件検討を行っている。 上記と平行して平成16年度はこの軟体サンゴポリプから得た粗酵素系を用いた生合成実験を行い、アラキドン酸から生合成中間体と考えられる8-hydroperoxyeicosatetraenoic acid(8-HPETE)とpreclavulone-A(PC-A)が生成することを確認した。そこで平成17年度はこの8-PHPETEとPC-Aを精査したところ両者はいずれも鏡像異性体混合物であるという興味深い結果を得た。 本研究結果の一部については専門学術誌(Lipids)に論文として投稿し、現在審査中の段階である。
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