2005 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス分子材料を用いる光誘起物質移動-機構解明とフォトニクスへの応用
Project/Area Number |
16550156
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 英之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00222167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 靖彦 福井工業大学, 工学部, 教授 (90029091)
景山 弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294038)
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Keywords | フォトクロミックアモルファス分子材料 / アゾベンゼン / フォトクロミズム / 表面レリーフ回折格子形成 / アモルファス薄膜 / 単結晶 / ホログラム / 回折効率 |
Research Abstract |
本研究は、アモルファス分子材料を用いて、表面レリーフ回折格子(SRG)形成ならびに偏光誘起分子配向など、光照射により誘起される物質移動現象を検討し、そのメカニズムを解明するとともに、フォトニクスへの応用をはかることを目的としている。本年度は、以下の検討を行った。 (1)新しい、フォトクロミックアモルファス分子材料tris(phenylazophenyl)amineを設計・合成し、そのアモルファス膜におけるSRG形成能を明らかにした。 (2)4-[bis(9,9-dimethylfluoren-2-yl)amino]azobenzene (BFlAB)のアモルファス薄膜に偏光を照射した場合に薄膜に誘起される二色性を検討し、分子配向変化に関連する知見を得た。 (3)BFlABアモルファス薄膜におけるフォトクロミック反応について、光照射時間をさまざまに変化させて、その後のcis-trans熱異性化反応を詳細に検討した。その結果、光照射時間が短くなるにつれてcis-trans熱異性化反応の反応速度が速くなることを見出した。これは、光照射に伴って繰り返しおこるtrans-cis、cis-trans異性化反応に伴って自由体積が徐々に大きくなっていくことを示唆している。 (4)光誘起SRGに関する更なる知見を得ることを目的として、4-(dimethylmino)azobenzeneの単結晶を用いて検討を行ない、単結晶の表面においても単結晶の表面にも光誘起SRG形成が可能であることがはじめて示された。また、SRG形成の単結晶の配向方向に対する依存性および書込光の偏光方向に対する依存性を検討し、単結晶中の分子の配向方向と書込光の偏光方向との関係がSRG形成に重要であることを示した。さらに、アモルファス系とは異なって、s-偏光のほうがp-偏光に比べて大きなSRG形成を誘起できることを見出した。
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Research Products
(5 results)