2005 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応によって合成した炭素前駆体からの機能性ナノカーボンの創製
Project/Area Number |
16550166
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 能生 福井大学, 工学部, 教授 (80358267)
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Keywords | ナノファイバー / 脱フッ素化反応 / 炭素先駆体 / 非晶質炭素 |
Research Abstract |
芳香族フッ素化物であるオクタフルオロナフタレン(OFN),デカフルオロビフェニール(DFB)をナトリウム金属で脱フッ素化させた。未反応のナトリウムを真空下で400〜500℃で加熱して除き、さらにナトリウムによって溶け出したガラスや副生したフッ化ナトリウムをフッ化水素酸、希塩酸処理によって除去して炭素質物質を得た。これを窒素ガス中、800℃で加熱して炭素化させた。その後、高温処理として1500、2000、2400、2800℃に加熱した。これらを種々の温度で処理した生成物の形態、構造などを走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、X線回折で調べた。また熱処理していないOFN, DFBについて、1000℃までの熱重量分析(TG)なども行った。その検討結果の概要を以下に示す。 1.得られたOFN、DFBの元素分析を行ったところ、酸素含有量が約20数パーセントと高く、生成物は反応性に富むため、空気の酸素や水蒸気とすぐに反応することがわかった。 2.OFN、DFBのTGを測定したところ、それぞれ69.8、52.2%といずれもかなり高い値を示した。 3.これら2種類の800℃処理物は、アモルファス状の繊維束と板状の形態が観察され、さらに高温に加熱してもその形態はほとんど変わらなかった。 4.2800℃処理試料の透過電子顕微鏡観察から、節をもった数十ナノメートルのナノファイバーと球形をした黒鉛質のものが共存していた。 5.X線回折結果からは、層面間隔が0.3363、0.3426nmnmの2種類の構造が確認され、透過電子顕微鏡での観察結果とよい対応関係を示した。 以上の結果より、アモルファス構造ではあるがナノサイズをもったファイバーが生成することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)