2005 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル現象を利用したゼオライト硬化体の創製と環境浄化への応用
Project/Area Number |
16550168
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩野 剛司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30178850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 隆 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40222400)
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Keywords | ゼオライト / メカノケミカル / 水熱合成 / 重金属除去 / 鉛 / カドミウム |
Research Abstract |
昨年度の研究でメカにオケミカル現象を利用することによって、比較的低い温度で単一相からなるバルク状ゼオライト硬化体(カリウム系)を合成できることを明らかにした。本年度は、ゼオライトの系をナトリウム系にも拡げると共に、得られたゼオライト硬化体の重金属除去能力を評価した。 昨年度に確立したゼオライト硬化体の合成技術をナトリウム系組成に応用した結果、ゼオライトA (Si : Al : Na=1:1:1)単一相からなる硬化体を合成できることが明らかになった。また、出発原料である水酸化アルミニウムの結晶粒子径を変化させ、ゼオライトを合成すると、粒子径が大きいとFaujasite型ゼオライト、粒子径を小さくするにつれてゼオライトAの生成が確認されたが、メカノケミカル処理した水酸化アルミニウムと同程度の粒子径でもゼオライト単一相からなる硬化体を合成することができず、メカノケミカル処理がゼオライトA単一相の合成に有効であることが明らかになった。さらにメカノケミカル処理した水酸化アルミニウムを用いた場合には60℃の熱処理温度でもオライトAが生成したのに対し、処理しなかった場合にはゼオライトの生成温度が高くなることが明らかになり、メカノケミカル処理が、ゼオライトの生成温度にも大きく影響を与えていることが分かった。 得られたバルク状ゼオライト硬化体が環境浄化材料として、適応するか否か検討するために、鉛,カドミニウムの除去評価を行った。また比較のために、天然ゼオライト,合成ゼオライトについても同様の実験を行った結果、鉛,カドミニウム除去に関して,ナトリウム系、カリウム系いずれの場合においても除去されていること確認された。得られたバルク状ゼオライトは天然ゼオライトより、はるかに高い重金属除能力を示し、合成ゼオライトと比べても重金属除去速度の点で劣っているが、ほぼ同等の性能が示された。
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Research Products
(3 results)