2004 Fiscal Year Annual Research Report
キュービック液晶を形成する新規高分子電解質の開発とナノ構造制御
Project/Area Number |
16550176
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
氏家 誠司 大分大学, 工学部, 教授 (40185004)
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Keywords | 液晶電解質 / イオン伝導性 / キュービック液晶相 / 対イオン / 配向構造制御 / X線回折 / バルク重合 |
Research Abstract |
イオン伝導性を有する新規液晶高分子電解質の開発を行った.また,液晶ナノ構造の制御のための手法について検討した.新規液晶高分子電解質として,キュービック液晶相を形成するイオン性高分子液晶を合成した.キュービック液晶相は三次元の連続相を形成することから,イオン伝導相として機能する親水相が連続相になるような系の探索を行った.1-ドデシルピリジニウム系のイオン性液晶は,クロリドイオンを対イオンとする場合,キュービック液晶相を形成した.他のハロゲンイオンを対イオンとする系ではスメクチックA相のみを形成し,酒石酸イオンを対イオンとする場合にはカラムナー相を形成した.メタクリロイルプロピルスルホネートを対イオンとする場合には,1-ドデシルピリジニウムは液晶性を示さなかったが,この系を重合するとカラムナー液晶相を形成した.ポリアクリル酸イオンを対イオンとする1-ドデシルピリジニウム液晶系では,キュービック液晶相が形成された.1-ドデシルピリジニウム クロリド液晶系では,キュービック液晶相は狭い温度範囲でしか形成されなかったが,ポリアクリル酸イオンを対イオンとする場合には,その6倍程度の温度範囲でキュービック液晶相を安定に形成した.以上の実験から,対アニオンを適切に選ぶことによって,液晶構造を制御できることが明らかになった. 分子配向構造を精密に制御する観点から,バルクでの重合を行った.両親媒性構造をもつことを利用することによって,イオン性液晶モノマー系では垂直配向構造を有する均一配向フィルムを容易に得ることが可能であることを見出した.また,初期状態で液晶状態である必要はなく,重合過程で液晶状態を形成することができれば,高分子量化した時点で安定な配向薄膜を形成できることが明らかになった.
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Research Products
(5 results)