2005 Fiscal Year Annual Research Report
キュービック液晶を形成する新規高分子電解質の開発とナノ構造制御
Project/Area Number |
16550176
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
氏家 誠司 大分大学, 工学部, 教授 (40185004)
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Keywords | イオン液晶 / 液晶性 / イオン性高分子液晶 / 熱的性質 / 配向構造 / スメクチック / イオン伝導度 / 金属錯体 |
Research Abstract |
新しいイオン性液晶およびイオン性高分子液晶を合成し,それらの熱的性質および配向構造について調べた.合成した化合物は,イオン部位と芳香族メソゲン骨格が屈曲鎖で連結した化学構造の構造単位をもつものとイオン部位に疎水性単位が連結した構造単位を持つものである.具体的には下記のタイプ1〜4になる. [タイプ1]第4級アンモニウム基とアゾべンゼンなどの芳香族メソゲン基がアルキル鎖で連結した低分子イオン性液晶(この系では対イオンとしてハロゲン化物イオンなどの小さなイオンをもつ) [タイプ2]上記タイプ1の低分子イオン性液晶あるいはアルキルアンモニウムイオンの対イオンに高分子イオンをもつイオンコンプレックス系液晶 [タイプ3]高分子イオン骨格主鎖の側鎖にメソゲン基を有するイオン性側鎖型高分子液晶 [タイプ4]金属イオンを含む錯体構造のイオン性高分子液晶 上記の試料系についての熱的性質および配向構造の検討から1〜4の結果を得た.イオン伝導性については,転移温度が低く,疎水性配向場に乱れを生じさせた系が効果的ある可能性があった. 1.タイプ1についての検討から,通常はタイプ1のイオン性液晶はスメクチック相のみを形成するが,ネマチック液晶相を形成させることに成功した.また,芳香族メソゲン基の側方に置換基を導入することによって,マイナス10℃付近から液晶相を形成させることも可能にした. 2.タイプ2に関する研究から,カラムナー液晶相およびキュービック液晶相を安定に形成させる系の存在を見出した.高分子イオンの効果的な利用方怯についても知見を得た. 3.高分子骨格主鎖をイオン化することによって,非液晶系の液晶化(高配向化)を可能にすることを明らかにした. 4.アミン骨格を導入した高分子と硫酸銅などの金属塩を反応させることによって,金属錯体高分子液晶を合成した.金属錯体高分子液晶は,ネマチック液晶相を形成した.
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Research Products
(6 results)