2005 Fiscal Year Annual Research Report
無水プロトン伝導性高分子の合成と高温無加湿形燃料電池への応用
Project/Area Number |
16550178
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 教授 (10245798)
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Keywords | プロトン / 高分子電解質 / 無水 / リン酸 / フラーレン / スルホン化 / 燃料電池 / メタノール |
Research Abstract |
1.高温PEFCの要素技術の確立 17年度は、高温PEFCの発電の課題である触媒層の検討を行った。バインダー材料として、通常のナフィオン、ナフィオン/リン酸複合体、ポリベンズイミダゾール/リン酸複合体、スルホン化フラーレン、スルホン化した導電性高分子を合成し、それを用いた電解質膜・電極接合体(MEA)を作成した。発電試験の結果、高温PEFCでは、ナフィオン/リン酸複合体がバインダー材料に最も適しており、他のバインダーでは充分な発電性能が得られなかった。同様に、通常のPEFCにも同様のバインダー材料を試したところ、スルホン化フラーレンにおいて、ナフィオンバインダーに対し充分な優位差が確認された。これは、スルホン化フラーレンの無水プロトン伝導性によるものと考えられる。また、この材料はPEFCの耐久性を向上させる耐ラジカルクエンチ効果があることがわかった。 2.DMFCへの展開 平成16年度の研究によって得られた高分子電解質は、いずれもメタノールに対する溶解性や透過性が低いことがわかった。そこで、上述の高温PEFCに加えて、直接メタノール形燃料電池(DMFC)の評価検討を行った。スルホン化したフェニレン系の電解質膜では、ナフィオン系と同等のDMFC発電特性を示し、さらに複数の膜を組み合せることによって、室温で高い発電特性を示すことがわかった。特に、リン酸基を有する高分子電解質膜と通常の炭化水素系電解質膜の組み合せにより、機械的特性と密着性に優れた複合膜が得られた。さらに、そのMEA内部の水の拡散性と偏在性を制御することが可能になり、電極触媒層の含水性の変化が発電の高効率化を実現することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)