2004 Fiscal Year Annual Research Report
低誘電率・低熱膨張・高透明性を併せ持つ耐熱ポリマーの開発と電子デバイスへの応用
Project/Area Number |
16550179
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長谷川 匡俊 東邦大学, 理学部, 助教授 (40237988)
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Keywords | ポリイミド / ポリベンゾオキサゾール / ポリアゾメチン / 低誘電率 / 低線熱膨張係数 / 高透明性 / 耐熱性 / 感光特性 |
Research Abstract |
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)とtrans-1,4-ジアミノシクロヘキサン(CHDA)からなる全脂環式ポリイミド、CBDA/CHDAは低誘電率・低熱膨張・高透明性を同時に示すが、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)重合時の強い塩形成を回避するため、高価なシリル化剤やヘキサメチルホスホルアミドのような有毒な重合溶媒を用いる必要があり、この点で工業的に重大な問題があった。そこで本研究では、CBDAに2つのメチル基を導入した1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(DMCBDA)をシトラコン酸無水物の光二量化より合成し、これとCHDAより新しいタイプの高重合度全脂環式ポリイミドを得ることができた。この系では前述のCBDA/CHDA系とは異なり、ポリアミド酸重合時に高価なシリル化剤や高価で有毒なヘキサメチルホスホルアミドを使用しなくても、容易に高重合体が得られるという点で、上記の問題を解消した。現在、ポリアミド酸重合条件および熱イミド化条件の最適化を行っているが、ポリイミドフィルム特性の評価を行ったころところ、全脂環式DMCBDA/CHDAポリイミド膜は極めて透明で、更に極めて低い誘電率(2.61)、比較的低い線熱膨張係数(42ppm/K)、高ガラス転移温度(360℃)と優れた特性を示した。また、CHDAの代わりにフッ素化ジアミンTFMBを用いた場合においても、同様に重合時の問題は全く無く、高透明性、極めて低い誘電率(2.59)、低い線熱膨張係数(27ppm/K)、高ガラス転移温度(341℃)と優れた特性を示し、第一段階として掲げた目標特性をほぼ達成することができた。
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Research Products
(2 results)