2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイドのエピ膜上に形成される表面欠陥の起源の解明とその除去方法の開発
Project/Area Number |
16560009
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡田 達也 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20281165)
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Keywords | シリコンカーバイド(SiC) / フェムト秒レーザ / リップ構造 |
Research Abstract |
平成19年度は、フェムト秒レーザ照射したシリコンカーバイド(SiC)単結晶表面に形成される「リップル」と呼ばれる微細周期構造に伴う内部改質を、顕微ラマン分光(MRS)測定および断面透過電子顕微鏡(TEM)観察を主な実験手法として探索した、特に、レーザエネルギーによるリップルの形態・周期変化と内部構造の関係および、リップル最表面のアモルファス層の化学成分に注目した。 レーザエネルギーの増大(6、8、10μJ/パルス)に伴って、照射部のクレーターは深く大きくなるが、照射部全体が、中心部に粗いリップル(周期〜500nm)、周辺部に細かいリップル(周期〜250nm)から構成される同心2重円状の形態であることは変わちなかった。 粗いリップルと細かいリップルの遷移は非常に狭い領域で起こっているが、最表面はほぼ同じ厚さ(〜50nm)のアモルファス層に覆われていた。これは、リップルの表面変形メカニズムは、粗いリップルと細かいリップルで共通しており、周期(500nm or 250nm)を決めるメカニズムのみが異なっていることを示している。この結果は、現段階で未解明であるリップルの形成機構に関して新しい知見を与える。 また、MRS測定の結果、最表面アモルファス層の化学成分が、粗いリップルと細かいリップルで異なっていることも分かった。粗いリップルではアモルファスSi、アモルファスCに対応するMRSピークが強いのに対して、細かいリップルではアモルファスSiCのピーク強度が高い。これはレーザ照射に伴って、原子移動が起こっていることを示している。
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Research Products
(4 results)