2004 Fiscal Year Annual Research Report
水素によって表面終端されたナノ構造シリコンの生成機構と光物性
Project/Area Number |
16560018
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
梅津 郁朗 甲南大学, 理工学部, 助教授 (30203582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
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Keywords | シリコン / レーザーアブレーション / ナノ結晶 / ルミネッセンス / 表面 / 表面自己束縛励起子 / 凝集 / プルーム発光 |
Research Abstract |
本研究はナノ作成時の表面反応過程を解明し良質な表面を持つ試料を作成するとともに、ナノ結晶表面が光学的特性に与える影響を明らかにしようというものである。気相成長法で作成したナノ結晶の特徴としてナノ結晶同士の凝集過程がある。凝集はナノ結晶単体を議論する際には必ずしも好ましいことではないが、ナノ結晶をマクロな系としてとらえるためには重要である。以前から雰囲気ガス中でレーザーアブレーション中を行うとガス圧に伴って粒系が変化すると信じられている。しかし筆者らの研究で一次粒子の粒系はあまり変化せずむしろ二次粒子の形状が大きく変化することが明らかになった。すなわち雰囲気ガス圧を制御することによって変化するのは主に一次粒子の粒径ではなく凝集過程であることを見出した。本研究では詳細に雰囲気ガス圧と生成物の形状を観察することによって、ナノ結晶集合体はガス圧が高くなるに従って柱状構造、カリフラワー構造、繊維状構造に変化していくことを明らかにした。比較的低ガス圧では一次粒子は弾道的に基板に到達し基板上で凝集が起こる。それに対してガス圧が高くなるとシリコンナノ結晶はプルーム内に閉じ込められプルーム内部での一次粒子の衝突によって凝集を起こし、凝集した繊維状の物体が基板上に到達すると考えると実験事実を矛盾なく説明できる。さらに本研究では作成された試料の発光特性を時間分解発光の測定により調べた。すると同じような発光波長帯に酸化による発光と表面自己束縛励起子による発光があることを発見し、今までひとつと考えられてきた発光の原因が二つ以上存在することを明らかにした。このように本年度はナノ結晶の生成過程と発光過程に関して両面からの研究を前進させた。次年度は両者の関連性に関してより深く議論していきたい。
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Research Products
(6 results)