2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560019
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
森 夏樹 小山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (60149911)
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Keywords | 超伝導揺らぎ / 高温超伝導 / 電子輸送特性 / 短波長揺らぎ / 交流帯磁率 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
本年度の研究内容を分類すると、1.実験的研究では、(1-1)Bi_2Sr_2Ca_2Cu_3O_<10>(Bi2223)焼結系、稀土類(REBa_2Cu_3O<7-y>)系の内、(1-2)RE=Gd,Y、(1-3)RE=Y,Pr系、(1-4)LaBaCaCu_3O_<7-y>系(RE1113系)、および電子dope型化合物では(1-5)(Nd,Ce)_2CuO_<4-y>系と(1-6)(In,Sn)_2O_<3-y>系を対象として、電気伝導特性と帯磁率特性測定し、その結果を解析した。2.理論的研究としては、(2-1)層状物質の面に垂直方向の揺らぎ伝導率σ'_c(ε)および(2-2)2-band超伝導体における揺らぎ伝導率σ'_<2B>(ε)に対する理論式を導いた。以下、各研究の内容を記述する。 1.実験研究について 系(1-1)に対し、測定した揺らぎ伝導率σ'(ε)をAslamazov-Larkin(AL)理論に加えMaki-Thompson(MT)項とDensity-of-state(DOS)項を考慮して解析した結果、系の臨界電流密度J_cの値が揺らぎ振幅C_F、異方性因子r、対破壊因子δと良く相関することが認められた。更に、SnO_2を不純物と含むBi2223系においても同様な傾向が得られ、揺らぎ伝導率解析が系のJ_c値を評価するために有効であることを示した[発表(3),(8)]。次にRE系(1-2,3,4)に対しては、σ'(ε)解析を含めた伝導の次元性について議論している。特に、系(1-4)では123系と異なり最適dope状態においても2次元伝導を示すことを示した[発表(4),(7)]。更に系(1-5,6)の電子dope型では組成および熱処理条件の変化による超伝導性の出現について調べ、殆ど研究報告のない揺らぎ伝導についての予備的研究を行い、その成果を報告した[発表(1),(5)]。 2.理論研究について σ'_c(ε)研究では、昨年度のmomentum cutoffの効果に加えenergy cutoff効果を含めた理論式を導出し、既存の実験結果と比較することにより、後者の効果が重要であることを明らかにした[発表(2)]。最後に、MgB_2を念頭に置いてGinzburg-Landau理論を基にσ'(ε)への2-band効果を取り入れた理論式σ'_<2B>(ε)を導き、実験結果をよく説明できることを示した[発表(6)]。
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Research Products
(8 results)