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2004 Fiscal Year Annual Research Report

軟X線照射による選択的結合切断を利用した均一ドーピング法の開発

Research Project

Project/Area Number 16560021
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

奥平 幸司  千葉大学, 工学部, 助教授 (50202023)

KeywordsCoincidence Spectroscopy / core excitation / chemical bond scission / Auger electron
Research Abstract

本研究課題の目的は、軟X線照射による化学結合の選択的結合切断を利用して、有機薄膜への均一なドーピング法を開発することである。特に、電子親和力が高くn型半導体であるフッ素化フタロシアニン(F_<16>CuPc)に着目する。この有機分子にF1s領域の(特に、F1s→σ(C-F)^*への遷移に対応する光エネルギーをもつ)軟X線を照射することでC-F結合の選択的結合切断を行い、F原子を分子から取り除くことでドーピングを行う。そのためには、より高効率、および高選択な結合切断が必要であり、結合切断機構の解明が重要である。内殻電子励起による結合切断は、内殻励起、オージェ緩和を経て、結合切断にいたるオージェ刺激脱離機構が提案されている。特定のエネルギーをもつオージェ電子と相関を持って放出されるイオンを測定するオージェ電子-光イオンコインシデンス(AEPICO)スペクトルは、結合切断に関与する特定のオージェ過程を選別する上で非常に有効な測定手法である。本年度は、F_<16>CuPcのF1s領域での共鳴オージェスペクトルおよびAEPICOススペクトルを測定し、F_<16>CuPcのC-F結合の選択的結合切断機構に関していくつかの知見を得た。実験には、放射光研究施設(フォトンファクトリー)を利用した。F1s領域の共鳴オージェスペクトルの測定から、F1s→σ(C-F)^*に対応する軟X線を照射した時、非占有準位に励起された電子とオージェ電子との相互作用に由来するスペクテーターシフトが観測された。これは、F1s→σ(C-F)^*の励起の後、主にスペクテーターオージェ過程が起こっていることを示している。また、F^+のAEPICO収量スペクトルは、F1s→σ(C-F)^*に対応する軟X線を照射した時、非常に高い値を示し、そのスペクトル形状は、共鳴オージェスペクトルのスペクテーターオージェ成分と非常に良い一致が見られた。これらの結果から、F_<16>CuPcのF1s→σ(C-F)^*におけるC-F結合の選択的結合切断は、スペクテーターオージェ過程を経て起こっていることが分かった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2004

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Study of excited states of fluorinated copper phthalocyanine by inner shell excitation2004

    • Author(s)
      K.K.Okudaira, H.Setoyama, H.Yagi, K.Mase, S.Kera, A.Kahn, N.Ueno
    • Journal Title

      Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena 137-140

      Pages: 137-140

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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