2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡用の試料環境制御可能な他用途ガス雰囲気試料室の開発
Project/Area Number |
16560025
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石川 晃 日本大学, 文理学部, 教授 (90023241)
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Keywords | 電子顕微鏡 / ガス雰囲気試料室 / 含水試料観察 / 高耐圧隔膜 |
Research Abstract |
本年度は密閉型ガス雰囲気試料室(EC)を新たに設計し、各パーツの最適化により、その総合性能の向上を図った。 (1)新しい密閉型ECの製作 これまでのグリッド2枚でガスケットをはさんで締め付ける方式を改良し、グリッド外側の2個のOリングでシールドする方式とし、グリッド間のスペーサーにより、ガス層厚さを0.25mmまでの任意の厚さに設定できるECを製作した。 (2)高耐圧性隔膜の作製法の確立 1気圧以上の耐圧性能を持つ隔膜作製法として、カーボンを高真空中でできるだけ低速で蒸着する方式とし、その最適な条件を追及した。接触させて通電加熱するカーボン棒(直径5mm)2本の先端の形状と寸法(太さおよび長さ)および加熱電流、蒸着時間について関係を追及し、有望な条件を得ているが、なお最適条件を追求している。 (3)隔膜の耐圧性能検査の効率化 研究効率向上のため、多数の隔膜の1気圧以上の耐圧測定を短時間に行える効率のよい耐圧性能測定装置を設計製作した。1台の吸引・加圧ポンプの交互使用により、2気圧以上の加圧圧力を実現でき、バルブの開閉に電磁スイッチを用いたことにより、30秒程度で1個の隔膜の耐圧検査を可能とした。 (4)隔膜支持用グリッドメッシュの最適化 ECの上下面を構成する特殊グリッドに関して、グリッドでOリングを抑えて、ガスをシールドする方式を採用したので、表面を研磨し平滑性を高めたグリッドを新たに作製した。 (5)密閉型ECの内部圧力を調整してから密閉するための装置の開発 解像度を高めるためと、試料損傷を抑えるために、密閉型EC内部のガス圧力を下げてから密閉できる予備排気・密閉装置を製作し、その性能を確認した。
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Research Products
(3 results)