2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560035
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桑村 有司 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (10195612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 実 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80110609)
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Keywords | 光変調器 / 平面型光変調器 / フランツ・ケルディッシュ効果 / スマートピクセル / 並列光情報処理 / 光コンピュータ |
Research Abstract |
並列光情報処理はその構想ができてから久しいが,実用化には至っていない.一番の理由は論理演算に用いる空間光変調パネルが存在しないことであり,本研究は光透過型でかつ平面型の光変調パネルの開発を目指している。本光変調画素は半導体pin接合を20組以上積層し、積層面に垂直に入射した光を電圧印加で透過、遮断する平面型光強度変調器である。光強度変調画素は多数のi-GaAs層中に電界を加え,光吸収係数を変えて行なっている。p型とn型層は多数のi-GaAs層に電界を加えるための導電層であり,左右に在るp型とn型の電極層から電圧を加える独自の素子構造である。今年は研究の初年度であり,光変調パネルを実現するために,画素の低消費電力動作と消光比の更なる向上を目指した。具体的にはp型及びn型の導電層,電極層のキャリヤ濃度を最適化(従来の1×10^<18>cm^<-3>から1×10^<17>cm^<-3>へ1ケタ下げる)とi型層の高純度化(従来5×10^<16>cm^<-3>から5×10^<15>cm^<-3>)を試みた。なお,低電力動作の実現は漏れ電流を低減することで行い,消光特性についてはi型層の高純度化により5Vの電圧印加で10dBの消光比が実現できる事が計算によりわかっている。画素は液相結晶成長法で作製しており,最初にi型層の高純度化についての予備実験を行なった。従来,i型層には故意的に不純物原子材料を添加せずに結晶成長を行なってきたが,結晶成長用のGa溶液中にドナー原子が混入するため,n型で5×10^<16>cm^<-3>となっていた。そこでGa溶液を高温でベーキングして不純物原子を気化する方法を試みた。その結果,キャリヤ濃度は5×10^<14>cm^<-3>まで高純度化でき,キャリヤ濃度はベーキング時間で制御できることがわかった。上記の手法によりi層を高純度化した変調画素の試作を試みたが,一部想定した画素構造が実現できず,消光特性として10Vで8dB程度にとどまった。なお,低消費電力についてはp型及びn型層キャリヤ濃度の最適化により1画素当り0.1mW程度(従来の1/10程度)まで低減できた。
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Research Products
(6 results)