2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン応用による高効率近接場プローブヘッドの研究
Project/Area Number |
16560037
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
後藤 顕也 東海大学, 開発工学部, 教授 (20234982)
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Keywords | 近接場光記録 / 近接場光発生効率 / 表面プラズモン・ポラリトン / 面発光レーザー / 共鳴増強効果 / エバネッセント光 / ナノ加工 / 回折格子(グレーティング) |
Research Abstract |
面発光レーザー(垂直共振器面発光半導体レーザー)は二次元の面アレイが容易に可能である。そこで直径10μm程度の100×100面アレイを用いて合計1万個の超並列光ヘッドをもつ近接場光を応用した新光ディスク方式を1996年に提案し1997年以来研究を続けている。この研究を実用化させるためには通常はきわめて効率の低い近接場光発生効率を3桁以上向上させることである。その一方法として,本年度は,表面プラズモン・ポラリトンによる増強効果を応用することにした。通常は直径10nmのナノ金属粒子による光の電界成分の共鳴効果を利用するのであるが、われわれの研究は二次元アレイ化がポイントであるので,ナノ粒子ではなく直径30nmの超微小開口からエバネッセント光(近接場光)の増強効果を,ナノ断面構造を持つグレーティングによって可能かどうかを試みている。すなわち,30nmのナノ開口から取り出す近接場光の効率向上を目指す。 本年度の研究成果は次の二点である。 (1)半導体結晶側に幅10nmで高さが30nm、ピッチが118nmのグレーティング構造を付加させた金薄膜をコートし,半導体側からレーザー光を照射すると金属面に誘起されたマイナスの電子とプラスの電荷の波(表面プラズモン・ポラリトン波)が共鳴増強されることが三次元FDTD(時間領域差分法)のシミュレーションの結果わかった(国際会議,信学会で発表,JJAP論文投稿)。 (2)上の理論値を実験的に確かめるために,シリコンウェーハ上に酸化膜で構成した二次元導波路を形成し外部からレーザー光を入射させた。ただし,導波路の上に金のグリッドをコート加工した部分と単なる平面導波路のみの部分とを同時に励振できるように二次元導波路全面に亘ってレーザービームが入射できるように構成してある。今回の金のグリッドは理論値で得た最適値ではない幅やピッチであるが,結果的に表面プラズモン・ポラリトンの発生による光増強効果を観察できた。(ドイツで開催された国際会議MOC04および米国でのOptics East2004で発表した。)
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Research Products
(5 results)