2005 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解分子振動スペクトル観測による超音波キャビテーション下反応の解明
Project/Area Number |
16560044
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 教授 (30143530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 和佳子 明治大学, 理工学部, 助教授 (00212168)
斎藤 繁実 東海大学, 海洋学部, 教授 (50091690)
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Keywords | 超音波キャビテーション / ソノルミネッセンス / ソノケミストリー / OHラジカル / 気泡 / ラマン散乱 |
Research Abstract |
超音波キャビテーションによって発生する気泡の圧壊から生ずる発光現象を解明するため、発光スペクトルの測定、ラマン散乱法による分子振動スペクトル測定を行った。 アルゴンガス飽和した水にエタノールを混合し(最高濃度100mM)、ソノルミネッセンススペクトルの濃度変化を観測した。発光スペクトルの積分値は濃度とともに指数関数的に減少する。310nmでのOHラジカルの発光ピークは積分値よりも急速に消光する。これはアルコール分子が気泡内で蒸発してOHラジカルやホットスポットにより分解され、気泡温度が減少するためである。超音波周波数1MHzの実験では、アルコールがより顕著に影響することがわかった。界面活性剤であるSDSを混ぜた水溶液からのソノルミネッセンスも観測した。特異的なことはナトリウム原子からの589nmD線スペクトルが観測されたことである。SDS分子から解離したNaイオンが気泡周囲に集積され、気泡近傍の高温状態のため励起、発光したと思われる。World Congress on Ultrasonics (Beijing)や音響学会などで成果発表を行った。 ラマン散乱測定では過酸化水素に注目し、その生成、分解を観測した。現在の所キャビテーションに特異な変化は観測されていない。
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Research Products
(3 results)