2004 Fiscal Year Annual Research Report
数式処理による保存力学系標準化理論逆問題の展開と理論学への応用
Project/Area Number |
16560050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 嘉夫 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (80201953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10021635)
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Keywords | 数式処理 / プログラム開発 / アルゴリズム開発 / 非線形ハミルトン系 / 標準化 / 逆問題 |
Research Abstract |
これまでの研究成果から,Birkhoff-Gustavson標準形多項式の逆問題は,与えられた標準形多項式がより高次であればあるほど,あるいは自由度(変数の数)が大きければ大きいほど,代表者が開発した従来のアルゴリズムでは計算量が飛躍的に増大することが予見されている.本研究課題において,本年度は,代表者が以前に提案した逆問題ソルバーANFERに代わるアルゴリズムとして,ある種のLie変換であるHori-Deprit変換に基づくソルバーLINAを提案し,その実装と性能評価を行った.LINAの基礎となるHori-Deprit変換は,従来ANFERの基礎となった新旧変数の混ざった変換母関数の代わりに,新変数のみからなる母関数を利用することにより計算の高速化が行われる.LINAを従来開発したANFERやGITA^<-1>と,いくつかの典型的な事例で計算時間を比較したところLINAの優位性が確認された.また,LINAを数式処理言語REDUCE, MAPLE, MATHEMAICAに実装して計算結果を比較したところおおむねREDUCE上での実装が優位であることが確認できた.これらの研究成果は,学術雑誌に掲載されLINAのバージョン01は当該学術雑誌のプログラムライブラリにも収録された.また,代表者はLINA開発の最終的な詰めと共著論文執筆のため海外協力研究者S.I.Vinitskyの研究所への渡航を本研究費により行った. 分担者の岩井は,山岡と共同で小数多体系力学の幾何学的な考察を推進し,「特異配置」をも包括した解析手法として層化簡約化を構成した.その結果,特異配置を経由するような場合も,振動的(内部)運動によって回転が生じることを確認している.その計算には,本研究課題のキーワードである標準化とほぼ等価な平均化という概念が有効に機能しており,小数多体系は逆問題が応用可能な有力なターゲットであることが示唆されている.
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Research Products
(3 results)