2004 Fiscal Year Annual Research Report
閾値系におけるノイズ効果と確率共鳴-エントロピーの視点とその応用-
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16560052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗像 豊哲 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40026357)
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Keywords | mutual information / noise effect / stochastic resonance / threshold system |
Research Abstract |
エントロピーの視点から閾値系での情報処理の性能(評価)やその向上のための手段、方法論について研究を進めた。入出力間の相互情報量をもっとも重要な評価量とし導入し、これを用いて、確率共鳴(SR)が従来のSNRとどう関係するかをみた。結論としては、2つの評価法でSRに差が出ないことを見出した。これを受けて、では相互情報量を増大するためにはどうすればいいかということ(工夫)に関して考察し、ポジチィブフィードバックを提案しこれにより、相互情報量が増大することを確認した。また、この際、フィードバックの強さが強すぎると、非エルゴード的なサンプリングが起こることを示した。この現象の情報論的な意味については目下考察中である。この非エルゴードサンプリングは閾値系の応答特性のバイファーケーションを意味しており、現在これを利用したデヴァイスの特許申請を考慮中である。(京都大学知財より申請予定)現在さらに、閾値系間の相互作用も考慮にいれた、系でのバイファーケーションを研究中であり、さらに情報処理能力の向上を図りたい。2004年ドレスデンでのSRの国際会議で以上の結果を発表し、またSRの研究者と有意義な意見、情報交換を行うことが出来た。2004年夏には共同研究者のGang Huを北京師範大学に訪ね、有用な議論を行うことができた。また、同時に上海SR研究者を訪ね、共同研究の基礎作りを行った。同僚の佐藤助手とは閾値系のネットワークに関して共同研究をまとめ、また上に書いたポジチィブフィードバックやバイファーケーションに関する結果をまとめた論文を投稿中である。
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Research Products
(3 results)