2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温環境下における湿潤/氷結岩体の熱的力学的挙動に関する研究
Project/Area Number |
16560056
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
倉茂 道夫 岩手大学, 工学部, 教授 (20005416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古住 光正 岩手大学, 工学部, 教授 (20003874)
廣瀬 宏一 岩手大学, 工学部, 助教授 (80156710)
今井 和郎 岩手大学, 工学部, 助手 (70113850)
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Keywords | 湿潤岩体 / 氷結岩体 / 氷結膨張 / 熱収縮 / 複合材理論 / 圧縮強度 / 圧裂強度 / 弾性係数 |
Research Abstract |
○実験 乾燥試験片および水飽和試験片に対し,室温から-170℃までの温度サイクル(一定速度での温度降下+一定実感の-170℃への保持,一定速度での昇温+室温への保持)を課した時のサンプル表面のひずみを連続的に測定した.どちらの試験片に対しても,プレ荷重有り及び無しの条件で試験を行った.さらに,温度降下・上昇の速度も変えて実験を行った.乾燥試験片では,これらの条件による違いは余り見られなかったが,湿潤試験片では大きな違いが見られた.すなわち,プレ荷重を掛けたものは降温に伴う氷結により大きく膨張すること,温度降下・上昇の速度顔沿いものほど氷結による膨張が大きいことなど,興味深い現象が観察された. 一方,強度試験は,一軸圧縮試験と圧裂引っ張り試験を行った.湿潤岩体の試験片では,温度の降下とともに,強度の著しい上昇が見られ,特に,プレ荷重を受けたものはその上昇が著しい.空隙中に含まれる水分の氷結によるものと考えられる. ○シミュレーション 水で飽和した球状のサンプルに対し,雰囲気温度を,T_0℃から一定の速度で降下させ,-T_0℃に達してから一定に暫く保ち,再び一定の速度で昇温,T_0℃まで戻してこの温度に保つ温度サイクルを与える.サンプルは,降温に伴い表面から水分が氷結を開始し,氷と水の界面が内部へ移動してゆき,最後に,中心部まで完全に氷結する.継いで,昇温に伴い表面から氷が融解し,界面は再びサンプル表面から内部に向かって移動し,最終的に,全サンプルが融解した水を含む状態に復帰する. この過程を,移動境界を固定する座標変換の導入とクランク・ニコルソン法により追跡するシミュレーション・プログラムの開発を行った.サンプルの表面や内部の温度分布の時間的変化と移動境界の位置を正しくシミュレートすることが出来た.この温度分布と移動境界の位置から,サンプル内部の応力やひずみを求めるプログラムの開発に目処を付けた.
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