2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温圧延によるリサイクル容易なLCP強化高強度複合材料の開発
Project/Area Number |
16560075
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (40244511)
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Keywords | ポリマーブレンド / 射出形成 / 熱間圧延 / プレス加工 / 繊維化 / 内部構造 / 力学特性 |
Research Abstract |
現在、プラスチックの強化手段としてガラス繊維などの添加が多いが、リサイクルがかなり問題となっている。本研究ではPPとPCに高性能液晶ポリエステル(LCP)を添加し、射出成形とプレス成形の組合せにより、LCPを繊維化・配向したブレンド試料を作成し、更に高温圧延加工を行い、各組成の材料を高度配向させるとともに界面の接着効果を強化させ、高性能・高機能のブレンド材料を創製する。また、圧延による試料内部組織の変化、特に異相間における接合と分離状態の変化および材料内部における分子の配向性、LCPの微細繊維化などの変化と材料の力学特性との関係を明らかにする。 本年度の研究によって明らかになったことを次の通りである。 (1)試験片の作製と力学特性の評価:各射出成形条件でLCP/PPおよびLCP/PC複合材料を作製し、その成形条件・内部構造と引張特性との関係を調べた。特にLCP/PC複合材料では35%LCPを添加した場合、1μm前後の微細化されたLCP繊維が形成されたため、LCP単体より高い引張強度が得られた。この材料を圧延加工すると、更に強度の向上が期待される。 (2)圧延加工:圧延温度と繰返し圧延加工のテストを行った。PP系複合材料は100℃前後、PC系複合材料では130℃前後で品質のよい圧延板が得られた。PC系複合材料について、圧延後のプレス加工はTg以上の200℃で行えば、高い層間接合強度を有する積層板が得られた。 (3)繰返し圧延用金型の作製:圧延による材料の塑性変形・回復特性などを定量的に調べ、繰返し圧延用金型(4種類)を作製した。 (4)材料物性と力学特性の評価:一部の試験片のテストを行った。本番の測定は現在進行中である。
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