2004 Fiscal Year Annual Research Report
シングルnmオーダの超精密加工表面形状の多重解像度解析
Project/Area Number |
16560090
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笹島 和幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80170702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 精一郎 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (40293253)
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Keywords | 超精密加工表面 / 微細形状 / マルチスケール / 顕微鏡 / ウェーブレット / 多重解像度解析 / 分解能向上 |
Research Abstract |
本研究では、先端加工プロセスによって形成されるシングルnmオーダの超精密加工表面微細形状において顕著になる表面形状のマルチスケール特性を多重解像度解析手法に基づいて測定・評価することを目的としている。 そのためにまず、高さ分解能が極めて高い走査型白色干渉顕微鏡の横方向分解能向上の試みとして、顕微鏡画像の超解像解析を行った。理論解析とシミュレーション実験を行い、また実測定データにおける検証も行った。実測定においては、超精密ピエゾテーブルを前述顕微鏡に装備して、試料を顕微光学系に対して正確に10nm以下の精度で水平微動可能な実験装置を構築し、PC制御で干渉測定とピエゾテーブルによる微動移動が順次行える実験装置を整備した。結果として、今回新たに開発した解析手法では、点像分布関数と形状情報の分離の可能性は示せたものの、実用に耐える精度は得られず、横方向分解能の向上も不十分のものであった。これに関しては、計画を変更し、第2年度も引き続き検討を継続することとしている。 一方、目的とする表面微細形状のウェーブレット解析は、単に加工によって形成される加工痕のみならず、積極的に形成される微細形状について行う必要から、それらの微細形状測定に適用可能なマルチスケール測定上の問題点の解決を検討した。具体的には、顕微鏡測定においては、被測定面素の局所傾斜があまり大きいと計測不能となるため、複数方向からの測定情報を連結することが全体形状評価の一つの解決法として考えられる。この基礎として、鋸歯状微細形状における測定現象を解明した。その結果、被測定面の傾斜角によってはその面が鏡面として機能する測定現象の存在が明らかになった。これに対する解決法に関しても、第2年度の研究計画の一部を変更して引き続き継続することとする。
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