2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭素鋼の高速冷間加工における、ミクロ組織形態に応じた変形挙動の予測に関する研究
Project/Area Number |
16560091
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
久保木 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90361823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 眞 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10106883)
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Keywords | 時効 / 炭素の拡散 / 時効硬化 / 硬化率 / 炭素の伝達係数 / フェライト分率 |
Research Abstract |
本研究では、「高速冷間塑性変形での変形形状予測」を実現するために、3年間で、以下の3つのフェーズからのアプローチを試みる。 1.ミクロ組織内の炭素拡散解析モデルの構築、2.1を考慮した高速冷間加工での変形解析、3.画像処理によるデジタルマイスター構築 平成16年度は、1.ミクロ組織内の炭素拡散の解析モデル構築に注力した。 (1)一定温度での現象把握:[実験]室温から400℃の温度範囲の中で、炭素の拡散現象である時効の挙動を捉えやすい温度ある200℃-300℃において、一定温度下での時効の進行を実験的に評価。結果として、フェライト-パーライト組織を対象に、新たな指標である"硬化率"を導入して時効の進行を定量的に把握した。[解析]SEM観察によって得られるミクロ組織に画像処理を施し、解析メッシュを生成。続いて、同メッシュを用いた解析モデルの拡張性を確保するため拡散解析ソフトを開発完了。充分な解析精度を得るための解析に適用するための視野を決定した後、解析を実施。 [実験と解析の比較]実験結果と比較検討した結果、従来の金属便覧などには掲載されていない"炭素の伝達係数"を定量的に算出することに成功。結果は、塑性加工学会に発表するとともに、Institute of Materials, Minerals and Miningに投稿、現在、掲載予定。[ミクロ組織形態の影響]さらに、同一のフェライト-パーライト組織ながら、フェライト分率の低い組織に対して、同様の実験を実施し、解析で予測された通り、フェライト分率の低い組織では時効の進行が早くなることが確認できた。 (2)(1)の解析ソフトを温度上昇による物性値の変化などが取り入れられるように拡張完了。
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Research Products
(2 results)