2005 Fiscal Year Annual Research Report
高機能化による鏡面研削加工のプロセス制御性向上技術に関する研究
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16560098
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
坂本 治久 上智大学, 理工学部, 講師 (40276514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 伸二 上智大学, 理工学部, 教授 (70146801)
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Keywords | 鏡面研削 / ドレッシング / 砥石作業面状態 / スパークアウト / 砥粒脱落 / 微小破砕 / 切れ刃密度 / スクラッチ |
Research Abstract |
本研究は,砥石作業面状態の客観的評価・形成を可能にし,それを長期にわたり保つことにより鏡面研削のプロセス制御性向上を目指している.本年度は,主な検討課題のうち,「鏡面研削加工を可能にする作業面状態の創成技術」に関する検討を主に行った, まずドレッシング切込みによる砥石作業面の創成プロセスを切れ刃分布状態に基づいて検証した.切込みには臨界値が存在し,それより大きい条件では砥粒の脱落により新しい切れ刃が生じる脱落形ドレッシングが起こり,逆に小さい場合には砥粒の微小破砕により切れ刃密度が高まる微小破砕形ドレッシングが起きることが明らかになった.鏡面研削を行うためには,仕上げドレッシングとして微小破砕形ドレッシングを行うことが必須であり,切れ刃密度を高めることにより仕上げ面粗さを向上することができる. 次にドレッシングにおけるスパークアウトの仕上げ面粗さ向上効果について検討した.スパークアウトを行うと,仕上げ面におけるスクラッチを低減でき,顕著に仕上げ面粗さを向上できる.このことから,スパークアウトによりドレッシング時にダメージを受けた砥粒が除去され,研削中の目こぼれが抑制されることがわかった.さらに,ドレッシング回数の増加は,一様に切れ刃密度を高めることが確認できた.しかしながら,スパークアウト回数にも臨界条件が存在し,過剰なスパークアウトはチップポケットを不足させ,目づまりを生じやすくするために,切れ刃密度が高いにも関わらず仕上げ面粗さは悪くなることがわかった. 以上により,良好な砥石作業面を得るためには,ドレッシングの切込みおよびスパークアウト回数の臨界条件を考慮することが重要であることがわかった.これを考慮して砥石作業面を創成して高硬度焼入れ鋼SCM415を研削した結果,仕上げ面粗さRz<0.4μmを満たし,光学的に映りの良い鏡面仕上げを実現することができた.
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Research Products
(6 results)