2006 Fiscal Year Annual Research Report
生産システムの学習・適応戦略に基づくエージェントスケジューリングの研究
Project/Area Number |
16560105
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古川 正志 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (70042091)
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Keywords | エージェント / 適応 / 学習 / 進化 / スモールワールド / 巡回セールスマン問題 / 生産システム |
Research Abstract |
平成18年度は,再度エージェントの学習方法について新しいニューラルネットワーク構造(ANN)に基づ<方法を開発し,その有効性を検証した.従来の構造は,バックプロパゲーション法やリカレント法にみられるように,神経網の構造が完全グラフに近く,生物界にみられる効率的な構造とは異なる.近年になって,生物の神経網の構造がグラフ理論の見地から研究されD.Wattsは線虫にスモールワールドの構造を見いだした.スモールワールド構造は,平均経路長が短くかつクラスタリング係数が大きく,完全グラフやレギュラーグラフに比較して少ない神経網数をもつ.今年度はこのような特徴をもつスモールワールド構造から作成したニューラルネットワークをエージェントの学習に使用可能かを検証した.検証方法としては,従来のANNとスモールワールド構造やレギュラーグラフとランダムグラフ構造をもつANNを作成し,進化計算に基づく学習計算を行わせた.その結果は,スモールワールド構造を持つANNが他の構造に比べてはるかに高速な学習を行えることが判明した.ついで,エージェントの光源追跡問題において同じ実験を実施した.この問題は実問題におけるエージェントの学習を想定して実施した.結果として,従来のANNと同じ能力を獲得できることが,検証された.この結果,ANNに基づくエージェントの学習において,新しい構造のANNによる学習と戦略獲得が可能であることが,結論として得られた.
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Research Products
(2 results)