2005 Fiscal Year Annual Research Report
海上浮体連結用自在継手の開発を目指した揺動すべり軸受材の評価試験
Project/Area Number |
16560123
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川添 強 長崎大学, 工学部, 教授 (40253629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 哲也 長崎大学, 工学部, 講師 (10380817)
中嶋 明 長崎大学, 工学部, 助手 (30108344)
森高 秀四郎 長崎大学, 工学部, 教務職員 (90315226)
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Keywords | トライボロジー / 摩耗 / 腐食摩耗 / すべり摩擦 / 海水環境 / すべり軸受 / カップリング(継ぎ手) / 浮体構造物 |
Research Abstract |
浮体構造物による海洋空間の利用が、海洋環境保全や耐震対策等の面から重要な役割を担うものと期待されており,メガフロート,浮体式洋上ソフトエネルギー基地(風力発電・太陽光発電)等、様々な構想が打ち出されている。本研究では、実用上多くの利点をもつ小型多連結浮体(例:20^L×10^B×13^Hm)に注目し、これを実現するための海上浮体連結用自在継手の開発を目標に、3次元運動を可能とする揺動すべり軸受材の評価選定を目的として、海水中のすべり摩耗試験を行った。試験は、揺動すべり軸受材として樹脂から金属まで7種類(フェノール樹脂系2種類、PTFE樹脂系2種類、PA樹脂系1種類、銅合金系2種類)を選定し、SUS304製軸を組み合わせて実機をシミュレーションした小型機で摩耗試験を行った。試験環境は自在継手が海水中と空気中に曝されることを想定して、海水中、空気中および海水中と空気中の繰り返し環境下で実施し、波浪試験より推定した軸受荷重およびすべり速度を負荷条件とした。 その結果、次の研究成果を得た。(1)耐摩耗性及び耐焼付き性の観点から,樹脂系ではPA樹脂,金属系では固体潤滑剤植込み銅合金がカップリング装置用揺動すべり軸受材として適した材料であること。実機の自在継手の小型軽量化を考慮するとPA樹脂が最適であること。(2)PTFE樹脂は,固体潤滑剤としての効果により低摩擦係数を示すが、硬度が低いため比摩耗量が大きく実用に適さないこと。(3)一般に水潤滑性が良好と言われるフェノール樹脂は,本実験では摩擦係数及び比摩耗量ともに大きく、接触相手材のSUS304製軸にも大きな摩耗損傷を与えること。この原因は、接触面圧が高く水潤滑膜が生成されにくいこと、及びフェノール樹脂の摩擦熱による熱硬化性が関係していると考えられること。(4)焼結銅合金は大気中試験で焼付きの兆候を示し、実機に適さないこと。 上記の成果をもとに、今後は小型浮体による実証試験を推進する予定である。
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Research Products
(3 results)