Research Abstract |
本研究では,マイクロマシン用のマイクロ部品を,高額の装置を必要とせず,安価で,かつ,容易な製造プロセスで,さらに,3次元的マイクロ部品を製作できる方法として考案した「超極細ワイヤーを用いたマイクロパーツ製造法」の確立をめざし,超極細ワイヤーの巻き付け技術およびのロウ付け技術を開発した後,線径が20μm以下の超極細ワイヤーを用いて,ピッチが40μm以下のマイクロねじ,マイクロナット,マイクロはす歯歯車の試作を試みた.また,同方法を用いて,ねじ,ナット,歯車以外のマイクロパーツの試作を試みた. マイクロねじ・ナットの試作において,線径20μmのステンレス線を2本1組として,直径が0.5mmのニッケル下地金メッキを施した真鍮ピンに密着して巻き付け,溶融した錫鉛半田漕の中に浸してステンレス線を真鍮ピンに半田付けした後,1本のステンレス線の剥き取ることで,ピッチが40μmのマイクロねじを試作することができた.また,線径が20μmのステンレス線を用いて,ピッチが40μmのマイクロナットも試作できた.さらに,マイクロねじとマイクロナットを組み合わせ,ねじ込むことができた.マイクロ歯車については,線径が50μmの錫メッキ銅線とタングステン線を各15本(計30本)を直径が0.46mmのステンレス線の外周に配置して半田付けを行い,その後,ダングステン線を剥き取ることで,歯数15,モジュール34μmのマイクロはすは歯車を試作することができた.他のマイクロパーツとして,線径が59μmのフロロカーボン線を2本1組として,接着剤で接着しながら直径0.75mmスチロール樹脂ピンに巻き付け,硬化後,1本のフロロカーボン線を剥き取ることで,ピッチが120μmのマイクロねじおよびナットを試作した.また,線径が200μmの錫メッキ銅線とポリウレタン皮膜導線を各20本用いて,マイクロタービン翼を試作し,2000rpmで回転させることができた.
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