2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高速回転・超小型ターボマシン用動圧型空気軸受の開発
Project/Area Number |
16560127
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE |
Principal Investigator |
吉本 成香 東京理科大学, 工学部機械工学科, 教授 (80096718)
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Keywords | 空気軸受 / 超高速回転 / ターボマシン / 安定性 / ヘリングボーン溝 / 浮動ブッシュ |
Research Abstract |
近年、機械製品の小型化やモバイル化、さらにロボットなどの移動体の進歩に伴い、小型で高出力が得られる携帯型電源が必要になってきた。MIT(アメリカ)では、このような携帯型高出力電源として、タービン軸直径が数mm程度で、100万rpmを越える回転数の超小型ガスタービンが提案され、その研究が盛んに行われている。ガスタービンを用いた携帯型電源は、リチウム電池に比べ一桁以上大きな出力が得られることから、将来の移動体用電源には不可欠であり、その実用化への期待はきわめて大きい。 そこで本研究では、動圧型空気軸受の高速安定性を改善し、100万rpmを越える安定性を得る手法として、浮動ブッシュを用いた新しい構造の動圧型空気ジャーナル軸受を提案し、その特性について検討を行った。17年度は、前年度に行った計算をもとに,ヘリングボー溝を持つ浮動ブッシュ軸受を作成し,実験的にその安定限界速度の測定を行った。浮動ブッシュとしては、ブッシュ外周を空気膜で支持する方式とフォイルを用いて弾性的に支持する方式の二種類を準備した。エアタービンによって軸を駆動することで安定限界速度を実験的に求めたところ、どちらの方式においても、50万rpmを越える安定性を示すことが確認された。これ以上の回転速度については、エアタービンの出力限界の関係から求めることはできなかった。 以上、本研究では、ヘリングボーン溝付き浮動ブッシュ軸受を用いることにより、回転軸の高速安定性を高めることができる手法を提案し、その有効性を、理論的、実験的に明らかにした。今後、超音速ノズルを使用するなどして、より高速な軸回転を実現させることで、超高速回転用軸受の開発を目指す。
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Research Products
(1 results)