2004 Fiscal Year Annual Research Report
感温液晶ステレオ温度・速度同時計測法による乱流ベナール対流の統計量と組織構造
Project/Area Number |
16560139
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤沢 延行 新潟大学, 工学部, 教授 (20165369)
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Keywords | 熱対流 / 計測 / 感温液晶 / 温度 / 速度 / PIV |
Research Abstract |
1.対流実験装置 高レーリー数の乱流ベナール対流実験装置として、既存のノンペネトレイティブ対流実験装置の装置部(水平断面が400mm×400mmの大きさを有する)の上側境界を改修することで完成させた。すなわち、その上面側の断熱境界を水冷式の装置によって冷却し、下面をヒーターで加熱することで、装置内に高レーリー数のレーリーベナール対流を起こすことに成功した。実験の結果、測定部の健全性が確認された。 2.感温液晶PIV計測システムによる統計量とエネルギー収支の計測 乱流ベナール対流の乱流統計量計測においては、感温液晶を用いた温度速度同時計測システムを用いた。このシステムは、感温液晶の粒径と速度トレーサの粒径を最適化することによって、可視化断面内の温度・速度を同時に計測することができる。 実験では、高レーリー数Ra=1.1×10^8のレーリーベナール対流を対象とした。実験の結果、乱流統計量として、時間平均特性(温度場、速度場)ならびに乱流特性(温度変動、速度変動、レイノルズ応力、乱流熱流束)が初めて明らかとなった。これらの計測結果は、部分的には存在する過去の実験結果ともほぼ一致しており、計測結果の健全性が確認された。これらの結果に加え、散逸を新たに計測することで、速度変動ならびに温度変動のエネルギーバランスの各項を評価することができた。現在のところ、散逸測定に対する空間分解能の影響までは評価していないが、全般的な散逸分布を得ることができた。実験結果によると、速度バランスについては、生成と散逸が大きい傾向が流体層全域に渡って見られた。一方、温度バランスについては、拡散の計測結果に大きなばらつきが生じており、現時点では最終的結論までは至っていない。以上のように、感温液晶による温度速度同時計測法によって、かなりの程度の定量計測が可能であることを示したが、その成果は大きい。
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Research Products
(4 results)