2005 Fiscal Year Annual Research Report
回転円柱を用いた多段式粘性圧縮マイクロポンプ開発のための基礎研究
Project/Area Number |
16560144
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Research Institution | NAGOYA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
横田 和彦 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (70260635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光太郎 工学院大学, 工学部, 助教授 (80252625)
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Keywords | マイクロポンプ / 粘性圧縮 / 回転円柱 / 潤滑理論 / 性能曲線 / 効率 |
Research Abstract |
本研究では,圧力性能を向上させる新しい粘性μポンプ(回転円柱を用いた多段式粘性圧縮μポンプ)を提案し,理論解析・モデル実験・数値シミュレーションを用いて,そのポンプ特性を明らかにすると共に,設計手法を開発することを目的とした. 理論解析では,流体潤滑理論を二重円筒間隙間流れに適用し,ジャーナル軸受けにおけるSommerfeldの手法を拡張した新しい解析手法を考案し,理論性能曲線の式を導出した. モデル実験では,センチスケールのμポンプモデルにおいて作動流体にグリセリンを用いることにより低Reynolds数を実現して実機μポンプを模擬した.流量は,下流タンクから溢れ出るグリセリンの質量を,電子天秤を用いて計測し重量法により算出した.一方,圧力は,ポンプ入口-出口の圧力差を,微差圧計を用いて計測した. 数値シミュレーションでは,3次元非圧縮Navier-Stokes方程式を,SIMPLE差分法を用いて解いた. 理論解析・モデル実験・数値シミュレーションの流量-圧力性能曲線は全て右下がりの直線となり,かつゼロ圧力流量(x切片)とゼロ流量圧力(y切片)は数パーセントの範囲内で一致した.このことは,各々の結果の信頼性が高いことを示している.また,隙間幅が円柱直径の1/30程度の場合,従来の粘性μポンプに比べて,ゼロ流量圧力にして50倍程度,効率にして10倍程度の性能向上が達成出来た.さらに,二重円筒間隙間を小さくする,もしくは二重円筒を偏心させることによって,性能曲線が立ってくる(x切片は小さくy切片は大きくなる)こと,すなわち圧力性能をさらに向上させられることが判明した.これらの結果は,Reynolds数が100程度以下において有効であることも確認した. 以上のことから、本研究で開発した理論式によって,使用条件に合わせた粘性μポンプの設計が可能となったと言える.
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Research Products
(1 results)